ARの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

AR(拡張現実)とは

ARとは「Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)」の略で、日本語では「拡張現実」と呼ばれます。現実世界で目に見えている風景に、コンピュータが作り出したデジタル情報(文字、画像、3Dキャラクターなど)を重ね合わせて表示する技術です。現実を「書き換える(VR)」のではなく、現実にデジタル情報を「付け足して拡張する」のが特徴です。主にスマートフォンのカメラや専用のARグラスを通じて体験します。

具体例

大ヒットした位置情報スマホゲームのように、現実の街路を歩きながらスマホのカメラをかざすと、画面上の道路や草むらの上にモンスターが現れる仕組みがARの代表例です。他にも、家具販売店のアプリで、カメラを使って自宅の部屋を画面に映すと、購入したいソファーや机の3Dモデルを原寸大で配置し、購入前にサイズや色合いが部屋に合うかをシミュレーションできる機能もあります。

もう少し詳しく

AR技術は、現実世界の位置や物体の特徴をデバイスがどのように認識するかによって、いくつかの種類に分類されます。

1. ロケーションベース(位置情報)AR:GPSや磁気センサー、加速度センサーなどを利用し、ユーザーの現在地や向いている方角に合わせて情報を重ね合わせます。街中でスマホをかざすと、その方向にあるレストランの情報や最寄り駅への道順が画面に浮かび上がるアプリなどに使用されています。
2. ビジョンベース(画像認識)AR:カメラが捉えた画像を解析してデジタル情報を重ね合わせます。さらに以下に分かれます。
- マーカー型:特定の二次元バーコードや専用のデザイン画(マーカー)を認識して、その上に3Dモデル等を表示します。
- マーカーレス(空間認識)型:机の平らな面や壁などの特徴点をセンサーでリアルタイムに検知し、マーカーがなくても自然に3Dモデルを配置できます。

近年では、高度なARを実現するために「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping:自己位置推定と環境地図作成の同時実行)」と呼ばれる自動運転やロボット工学の技術が応用されています。これにより、カメラを動かしても重ね合わせたデジタルオブジェクトがずれることなく、あたかも最初からそこにあったかのように床やテーブルの上に固定して表示させることができます。また、スマートグラスなどのウェアラブル端末の進化により、両手を自由に使いながら作業手順を目の前に投影する現場作業用のARも実用化が進んでいます。

試験でのポイント

IT試験においては、ARが「現実世界に仮想のデジタル情報を重ね合わせる技術」であることを定義した選択肢を正確に選べるかどうかがポイントです。

試験で注意すべきキーワードは以下の通りです。
・現実世界の視覚情報をベースにしている:ここがVR(仮想世界のみ)との決定的違いです。
・重ね合わせて表示(拡張する):現実の映像に文字、画像、3Dグラフィックスをオーバーレイ(上書き)します。
・具体的な応用例の識別:スマートフォンのカメラを用いた道案内アプリ、カメラ画像に補正フィルタをかける写真アプリ、部屋に仮想の家具を配置するインテリアシミュレーターなどがARの適用事例であることを選択できるようにしましょう。

また、「HUD(ヘッドアップディスプレイ)」と呼ばれる、車のフロントガラスに現在の速度やナビゲーション情報を投影する運転支援システムもARの仲間(または応用技術)として試験に出題されることがあります。

関連する用語

ARと関連が深い用語には、現実を覆い隠して別の世界を体験させる「VR(仮想現実)」や、現実と仮想オブジェクトがリアルタイムに相互作用する「MR(複合現実)」があります。また、自己位置と周囲の地図を同時に計測する「SLAM技術」や、車の運転席などで情報をガラスに投影する「HUD(ヘッドアップディスプレイ)」も重要な関連ワードです。

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