ルータの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

ルータとは

ルータ(Router)とは、異なるネットワーク同士を接続し、データが目的地まで届くように最適な経路(ルート)を選択して転送するネットワーク機器のことです。データが通る道を案内することから、この経路選択の動作を「ルーティング」と呼びます。

例えば、あなたの家にあるネットワーク(家庭内LAN)と、外にある世界中のインターネット(WAN)をつないでいるのがルータです。ネットワークを行き交うデータには、宛先の「IPアドレス」が記載されています。ルータはこれを確認し、「このデータはどの道を通れば一番早く目的地に着くか」を判断し、次のネットワークへとデータを中継します。インターネットはこのルータが何十、何百とバケツリレーのようにデータをつなぐことで成り立っています。

具体例

郵便局の「仕分け拠点」をイメージしてみましょう。

  • あなたが東京の自宅から大阪の友人宛てに手紙を出すと、まず地域の郵便局(家庭内ルータ)に集められます。
  • 郵便局員(ルータ)は、手紙の住所(IPアドレス)を見て、「これは大阪方面行きだから、東名高速道路を通るルートのトラックに乗せよう」と仕分けします。
  • 途中のジャンクション(中継ルータ)でも同様に仕分けが行われ、最終的に大阪の友人のポストまで無事に届けられます。ルータはこれと全く同じことを、データの送信においてミリ秒単位で行っています。

もう少し詳しく

ルータは、OSI基本参照モデルの第3層(ネットワーク層)で動作する中継機器です。ルータがパケット(データの塊)を適切な宛先へと送り出すために用いるのが「ルーティングテーブル(経路制御表)」と呼ばれる内部データベースです。ここには、「この宛先IPアドレスのパケットは、どのポートから、次のどのルータへ転送すべきか」という道案内情報が記録されています。

このルーティングテーブルを作成・更新する方法には以下の2種類があります。

  • スタティックルーティング(静的経路制御):ネットワーク管理者が手作業でルート情報を登録する方法です。ルータにかかる処理負荷が少なく、確実な制御が可能ですが、ネットワーク構成が変更された場合は手作業での修正が必要になります。
  • ダイナミックルーティング(動的経路制御):ルータ同士が専用の「ルーティングプロトコル」を使って互いにネットワーク情報を定期的に交換し、自動的に最適な経路を計算してテーブルを構築する方法です。障害発生時に迂回ルートを自動選定できるメリットがあります。代表的なプロトコルには、小規模向けの「RIP」、中大規模向けの「OSPF」、インターネットの自律システム間を結ぶ「BGP」があります。

また、ルータは単なる道案内だけでなく、家庭内のプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する「NAT/NAPT」機能や、パケットの送信元・送信先IPアドレスやポート番号をチェックして不正なアクセスをブロックする「パケットフィルタリング(簡易ファイアウォール)」機能など、ネットワークの境界を守る重要な役割も兼ね備えています。

試験でのポイント

試験において、ルータは「OSI基本参照モデルの第3層(ネットワーク層)」の機器であり、「IPアドレス」に基づいて動作するという前提知識が非常に重視されます。スイッチングハブ(第2層、MACアドレス)との明確な違いを問う問題が定番です。

また、ルーティングテーブルの構築方法に関して、管理者が固定で入力する「スタティックルーティング」と、ルータ間通信で自動構築する「ダイナミックルーティング」の違いや、ダイナミックルーティングプロトコルである「RIP」や「OSPF」の名称が問われます。さらに、異なるネットワークへパケットを送出する際の接続情報として、PC等のネットワーク設定に入力する「デフォルトゲートウェイ」のIPアドレスがルータを指していることの理解も深く求められます。

関連する用語

ルータに関連する用語には、経路の案内地図である「ルーティングテーブル」、動的に経路を学習するプロトコル「OSPF」、ネットワークの境界住所を変換する「NAT」、外部ネットワークへの玄関口である「デフォルトゲートウェイ」、ネットワーク全体の階層を示す「OSI基本参照モデル」などがあります。

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