中間者攻撃の解説(基本情報技術者シラバス用語)

中間者攻撃の解説(基本情報技術者シラバス用語)
目次

中間者攻撃とは

中間者攻撃(MITM / Man-in-the-Middle attack)とは、ネットワーク通信を行う二者の間に、攻撃者がこっそりと割り込んで「中間者」となり、やり取りされるデータを盗聴したり改ざんしたりする攻撃手法です。送信者と受信者は、お互いに相手と直接安全に通信していると思い込んでいるため被害に気づきにくいですが、実際にはすべてのデータが攻撃者のコンピュータを経由しており、パスワードや機密情報がすべて盗まれてしまいます。暗号化されていないフリーのWi-Fiスポットなどに接続した際に、この攻撃を受ける危険性が高まります。

具体例

カフェに設置された偽の無料Wi-Fiスポット(悪意のあるアクセスポイント)にスマホを繋いでしまい、ネットバンキングにアクセスした際、偽のWi-Fi機器が通信を中継するふりをしながら、入力された暗証番号やログインパスワードを盗み取る事例。

[ユーザーPC] <---(データ盗聴・改ざん)---> [中間者(攻撃者)] <---> [銀行サーバー]\n(ユーザーは銀行と直接やり取りしていると思い込んでいるが、通信は傍受されている)

もう少し詳しく

中間者攻撃(MITM)は、通信の途中に介入することで、機密性(通信データの保護)と完全性(通信データの正しさ)を同時に脅かす深刻なネットワークセキュリティの脅威です。送信者と受信者は、相手と「直接かつ秘密裏に」対話していると信じ込まされますが、実際にはすべてのメッセージが中間者の制御下に置かれています。

中間者攻撃を実現するための代表的なネットワーク上のアプローチには以下のものがあります。

ARPスプーフィング(ARPなりすまし): 同一のLAN内で、他のPCやルーターに対し、偽のMACアドレス情報を繰り返し送信することで、ネットワーク機器を騙します。これにより、ターゲット端末からインターネットへ出ていくすべてのパケットが、一度攻撃者の端末を経由するように経路を捻じ曲げます。
偽のアクセスポイント(悪意のある双子 / Evil Twin): 公共のカフェやホテルなどに設置されている正規のフリーWi-Fi(アクセスポイント)と同じSSID(Wi-Fiの名前)を設定した偽のWi-Fiを発信します。ユーザーが本物と間違えて接続すると、中間者として通信をすべて盗聴・改ざんします。
DNSキャッシュポイズニング: DNSサーバーのキャッシュ情報を一時的に偽の情報に書き換えます。ユーザーが正しいURL(例:www.example.com)を入力しても、攻撃者が用意した偽のWebサーバーへと誘導され、その偽サーバーが本物のサーバーとの通信を仲介することで、認証情報などを傍受します。

試験でのポイント

試験において「中間者攻撃」は、その攻撃シナリオ(通信経路中に割り込んで、暗号を解除して平文に戻したり、データを盗み見たりする行為)を正確に読み取り、それを防ぐ「有効な暗号技術や対策」を選択する問題が頻出します。

SSL/TLSによるエンドツーエンドの暗号化: 最も基本的な対策です。WebブラウザとWebサーバーの間でSSL/TLS通信(HTTPS)を行うことで、通信内容全体が強力に暗号化されます。仮に中間者がパケットを中継・傍受しても、復号に必要な秘密鍵を持っていないため、内容を解読することはできません。
電子証明書(SSL/TLSサーバー証明書)の検証: SSL/TLS通信の開始時、ブラウザは接続先サーバーから提示された証明書が信頼できる認証局(CA)によって発行された本物であるかを検証します。中間者が割り込んで自分の偽証明書を提示した場合、ブラウザは「信頼できない証明書」として警告画面を表示します。試験では、この警告を決して無視せずに確認することが対策として非常に重要であると問われます。
VPN(Virtual Private Network)の利用: 暗号化されていない公衆Wi-Fiを利用する場合でも、VPNを介して接続することで、デバイスとVPNサーバーの間に暗号化された安全なトンネルが形成されるため、中間者攻撃を無効化できます。

関連する用語

暗号化によって通信データを保護する仮想専用線「VPN」、ブラウザとサーバー間の通信を暗号化する「SSL/TLS」、接続相手が本物であることを証明する「電子証明書」などがあります。

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