BPRの解説(基本情報技術者シラバス用語)

BPRの解説(基本情報技術者シラバス用語)
目次

BPRとは


BPR(Business Process Reengineering:業務プロセス再構築)とは、企業の目的(売上向上やコスト削減、顧客満足度の向上など)を達成するために、既存の業務手順や組織構造、ルールを根本的に見直し、ゼロから再設計(再構築)することです。

従来の「今のやり方を少しだけ改善する」という部分的な改善とは異なり、BPRは「そもそもこの業務は必要なのか」「最初から作り直したらどうなるか」という視点で、ドラスティック(劇的)に変革を行います。多くの場合、最新のIT技術を導入して自動化や効率化を図ることで、劇的な効果を生み出します。

具体例

例えば、ある住宅メーカーがBPRを実施した際の具体例です。

  • これまで営業担当者が手書きで作成し、上司、設計部、経理部へと紙の書類を回して数週間かけていた見積・契約のプロセスを廃止し、タブレット端末からその場でクラウドシステムに入力して瞬時に全部署へ共有、即日契約が完了する仕組みへと根本から変更した。
  • 問い合わせ対応で、顧客が電話をかけ、オペレーターが聞き取り、技術担当者に引き継ぐという多段階の手順をなくし、AIチャットボットと自動FAQシステムを導入して、顧客が直接自己解決できるシステムへとプロセス自体を再構築した。

もう少し詳しく

BPRは1990年代前半にアメリカで提唱された経営手法で、激化するグローバル競争やIT技術の急速な発展に対応するために生まれました。従来の組織は「人事」「経理」「開発」といった職能別に縦割りで構成されており、各部門の中での効率化(部分最適)は進んでも、顧客に価値を届ける一連の業務プロセス全体(横串のフロー)では無駄や滞留が多く発生していました。BPRは、この縦割りの壁を取り払い、顧客視点で業務プロセスを統合・再設計します。

BPRを推進するにあたっては、まず企業のビジョンや目標を設定し、現状の業務フローを徹底的に可視化して分析します。その後、不要な作業を「排除(Eliminate)」し、他の作業と「結合(Combine)」し、順序を「交換(Rearrange)」し、作業を「簡素化(Simplify)」するという「ECRSの原則」などを適用して新たなプロセスを設計します。また、BPRの成功には、従来の組織体制や職務権限の大幅な変更、評価制度の見直しなどが伴うため、経営トップの強いリーダーシップ(トップダウン)が不可欠となります。

試験でのポイント

試験において最も頻出するポイントは、BPRと「BPM(ビジネスプロセス管理)」の性質の違いです。BPRが「根本的・劇的(ドラスティック)な見直しと一回限りの大きな再構築」を目指すのに対し、BPMは「継続的・段階的な改善のサイクル(PDCA)を回し続けること」を目指します。この2つの用語のキーワード(根本的・劇的=BPR、継続的=BPM)を整理しておくことで、選択肢を正しく判別できます。

また、BPRは部分的な改善ではなく、組織全体や業務フロー全体の「全体最適」を目指すものである点、およびIT技術の導入が単なる手作業の代替にとどまらず、新しい業務プロセスを実現するための「イネーブラー(変革を可能にするもの)」として機能する点も、問題文でよく触れられる論点です。

関連する用語

BPRに関連する用語としては、継続的な業務プロセス改善手法である「BPM」や、人間の定型的な事務作業をソフトウェアで自動化する「RPA」、業務効率化のためのフレームワークである「ECRSの原則」があります。また、企業のビジネスモデル自体をデジタル技術で変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とも極めて近い関係にあります。

読んだ内容を10問練習と実技で確認

記事で理解した用語を、StudyQuestの演習とクラウド実技ラボで定着させます。

10問練習 実技ラボ