減価償却とは
減価償却(げんかしょうきゃく)とは、建物やパソコン、車などの「長期間にわたって使用する高額な資産」を購入した際、その購入費用を一度にその年の経費とせず、その資産が使えると予想される期間(耐用年数)にわたって、分割して少しずつ経費として計上していく会計上のルールのことです。時間が経つにつれて資産の価値が減っていく(減価)のを、期間ごとに埋め合わせていく(償却)という意味を持っています。これにより、企業の毎年の経営成績を正しく把握できるようになります。
具体例
例えば、仕事で使うための高性能なパソコンを30万円で購入したとします。このパソコンの耐用年数(使える期間)が3年と定められている場合、購入した年に30万円すべてを経費にするのではなく、以下のように毎年10万円ずつ経費として分けて記録します。
1年目の経費: 10万円2年目の経費: 10万円3年目の経費: 10万円このように処理することで、購入した年だけが大赤字になり、翌年以降が不自然な大黒字になるような事態を防ぎ、会社の正しい利益を計算することができます。
もう少し詳しく
減価償却(Depreciation)の根底には、会計上の「費用収益対応の原則」があります。これは、その期に得られた収益に対応する費用を、正しく同じ期に計上すべきという考え方です。例えば、1台のサーバーを5年間使用してサービスを提供し、毎年売上を得る場合、購入した初年度だけに購入代金の全額を費用として計上すると、初年度は極端な赤字、2年目以降は費用ゼロで大黒字となり、毎年の正しい収益力が歪んでしまいます。これを防ぐため、資産の「耐用年数(法律で定められた使用可能期間)」に応じて分割して計上します。計算方法には、毎年一定額を計上する「定額法」と、最初の年ほど多く計上し年々減らしていく「定率法」の2つがあります。IT資産(ソフトウェアやハードウェア)の減価償却は、税法上のルールに則って適切に処理する必要があります。
試験でのポイント
試験では、減価償却の意義(費用収益対応の原則)や、定額法・定率法それぞれの計算方法と特徴について問われます。特に定額法の計算問題が出題されることが多く、「(取得価額 - 残存価額) ÷ 耐用年数」の式を用いて各期の減価償却費を算出させます(※現在の日本の税法では残存価額はゼロとして計算することが一般的です)。定率法については「初期の償却額が大きく、徐々に減っていくため、初期の節税効果が高い」といった特徴が問われることがあります。また、自社利用ソフトウェアの制作費が資産として計上され、減価償却の対象になる点も出題ポイントです。
関連する用語
関連する用語としては、企業の資産状況を示す「貸借対照表」、利益と経費を報告する「損益計算書」、償却期間の基準となる「耐用年数」があります。