組織形態の解説(ITパスポートシラバス用語)

組織形態の解説(ITパスポートシラバス用語)
目次

組織形態とは


組織形態(そしきけいたい)とは、企業が目標を達成するために、社内の人員や部署をどのように配置し、どのような役割分担をしているかという「会社の組織の形」のことです。

会社の規模が大きくなったり、事業の種類が増えたりすると、全員で一つのまとまりとして動くのは難しくなります。そこで、効率よく仕事を進めるために組織をいくつかのグループに分けます。例えば、営業部や開発部など仕事の種類で分ける「職能別組織」、製品や地域ごとに一つの小さな会社のように分ける「事業部制組織」、その両方を組み合わせた「マトリックス組織」など、企業の状況に応じた様々な形態があります。

具体例

例えば、スマートフォンとパソコンを作っている会社があるとします。「事業部制」という組織形態をとる場合、「スマホ事業部」と「パソコン事業部」に分けます。スマホ事業部の中に独自の営業や開発のチームがあり、スマホのことだけを専門に迅速に判断・行動できるようになります。これにより、市場の変化に素早く対応できるようになります。

もう少し詳しく

代表的な組織形態には、企業の目的や規模、扱う製品の数によっていくつかの種類があり、それぞれ異なるメリットとデメリットを持っています。

1. 職能別組織(機能別組織):開発、購買、製造、営業、人事、財務というように、仕事の専門的な機能(職能)ごとに部署を分ける最も基本的な形です。同じ職種のスペシャリストが集まるため、技術やスキルの向上・管理が容易で効率的な業務遂行が可能ですが、部署の壁(セクショナリズム)が生じやすく、企業全体の意思決定が遅くなる傾向があります。

2. 事業部制組織:製品別、地域別、あるいは特定の顧客(ターゲット)別に組織を分割し、その分割された単位ごとに「事業部」を設ける形です。それぞれの事業部は一つの「独立した小さな会社」のように運営され、独自の営業や開発部門を持ち、自立的な意思決定と「独立採算」を行います。意思決定が迅速で顧客ニーズに合わせやすい反面、各事業部で同じような役割(営業や総務など)を二重に持つため、組織全体のコストが増加しやすいという弱点があります。

3. マトリックス組織:職能別組織の「専門性」と事業部制組織の「即応性」を同時に得るために、縦糸と横糸のように両方の命令系統を網の目のように組み合わせた組織です。一人の社員が「製品開発部(職能)」と「スマホ事業部(事業部)」の両方に所属することになります。複数の強みを活かせる反面、「上司が二人になる」ため、指揮命令系統が競合して現場の混乱や対立を招くリスク(ワンマン・ツーボス・システム)が常にあります。

4. プロジェクト組織:特定の研究開発や新規事業など、明確な目的を達成するために各部署から必要な人材を一時的に集めてつくる臨時の組織です。目的が達成された段階で組織は解散し、メンバーは元の所属部門へと戻ります。機動性が高いのが特徴です。

試験でのポイント

ITパスポート試験のストラテジ系(企業活動、組織論)において、各組織形態の特徴を記述した説明文から正しい組織名を答えさせる問題や、逆に特定の組織名のメリット・デメリットを選択させる問題が非常に頻出します。

試験対策としては、「職能別組織」「事業部制組織」「マトリックス組織」「プロジェクト組織」の4大組織形態の特徴的なキーワードを暗記しておくことです。例えば、「二重の命令系統(または縦割りと横割りのマトリックス)」というフレーズがあれば「マトリックス組織」が一択です。「特定の課題を達成するために臨時に編成され、達成後に解散する」という説明があれば「プロジェクト組織」が正解です。「製品や地域ごとに利益責任を負う」という記述があれば「事業部制組織」を選択します。それぞれの特徴を端的に比較対照できるように整理しておくと、試験本番で迷うことなく得点できます。

関連する用語

組織形態に関連する用語には、事業部ごとに独自の売上とコストを管理し、利益に責任を持たせる「独立採算制」、特定の目的のために一時的にチームを組む「プロジェクト組織」、そして親会社がグループ各社の株式を保有して経営管理のみを専門に行う「持株会社(ホールディングス)」があります。

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