VLANとは
VLAN(Virtual Local Area Network:仮想LAN)とは、物理的なハブやLANケーブルの配線に関わらず、スイッチ(ハブ)の内部設定によって、1つの物理的なネットワークを仮想的に複数の独立したネットワークに分割する技術です。
通常、同じハブに繋がっているコンピュータ同士は同じネットワークに属し、お互いに通信できます。しかし、VLANを使うと、同じ部屋の同じ機器に接続されていても、「総務部用」と「開発部用」のようにネットワークを完全に分けることができます。これにより、不要な通信が混ざるのを防いでネットワークの混雑を緩和できるほか、部門外のコンピュータからの不正なアクセスを防ぐセキュリティ対策としても非常に有効です。
具体例
オフィスの島ハブに、社員のPCと、来客用のPCが混在して挿されているとします。VLANを適用して、社員用ポート(VLAN 10)と来客用ポート(VLAN 20)を設定すれば、来客用PCから社員の共有フォルダや社内サーバーを覗き見られる心配をなくし、インターネット接続だけを提供することが可能になります。
もう少し詳しく
VLANを実現する方法には、主に「ポートベースVLAN」と「タグVLAN」の2種類があります。「ポートベースVLAN」は、スイッチの物理ポート(LANケーブルを挿す穴)ごとにVLAN IDを割り当てる方式で、設定がシンプルで分かりやすいのが特徴です。一方、「タグVLAN」は、データのヘッダ部分にVLAN識別用の情報(タグ)を埋め込む方式(IEEE 802.1Q規格)で、1本の物理的なLANケーブル(トランクポート)の中に複数の異なるVLANのデータを混在させて転送することができます。これにより、複数のフロアやスイッチにまたがる大規模なVLAN環境を最小限の配線で構築可能です。異なるVLAN同士は、物理的には同じ機器を共有していても直接通信することはできず、通信を行わせるためには「マルチレイヤスイッチ」や「ルーター」を介したルーティング(VLAN間ルーティング)が必要となります。
試験でのポイント
試験では、VLANのメリット(ブロードキャストドメインの分割によるトラフィックの抑制、セキュリティの向上など)が問われます。また、「ポートベースVLAN」と「タグVLAN」の動作原理の違い、特に1本の物理回線を共有する「トランクリンク(トランクポート)」や、そこに挿入される「IEEE 802.1Qタグ」の仕様について詳しく出題されます。さらに、VLAN間での通信を制御するために、L3スイッチ(マルチレイヤスイッチ)やルーターが必要になるという「VLAN間ルーティング」のシステム構成図を読み解く問題にも対応できるように、スイッチとルーターの階層関係を整理しておきましょう。
関連する用語
VLANに関連する用語としては、ポートごとに分割する「ポートベースVLAN」や、ヘッダに識別子を付与する「タグVLAN(IEEE 802.1Q)」があります。また、複数VLANのトラフィックを通す「トランクポート(トランクリンク)」や、異なるVLAN間のルーティングを1台で実現する「マルチレイヤスイッチ(L3スイッチ)」、そしてVLANをさらに応用して仮想的なトンネルを作る「VxLAN」も関連概念です。