Savings Plansとは

Savings Plans(セービングプラン)は、AWSのコンピューティングリソース(EC2、Fargate、Lambdaなど)の利用料を大幅に削減できる柔軟な料金モデルです。リザーブドインスタンス(RI)と同様に、1年または3年間の継続利用を約束することで、標準のオンデマンド料金から最大72%の割引を受けられます。しかし、RIとの決定的な違いはその「コミットメント(約束)の形式」にあります。RIが「特定のインスタンスタイプ(例:m5.large)」を指定して長期間利用を約束するのに対し、Savings Plansは「1時間あたり〇〇ドル利用する」という『金額ベースのコミットメント』を行います。これにより、プロジェクトの途中でサーバーの種類を変えたり、コンテナ(Fargate)やサーバーレス(Lambda)などの新しい技術へアーキテクチャを移行したりしても、指定した金額までは自動的に割引が適用され続けるという、極めて高い柔軟性を実現しています。
具体例
Savings Plansの仕組みは、「カフェのプリペイドカードや定額制パス」に似ています。リザーブドインスタンスが「1年間、毎日ブレンドコーヒー(特定のサーバー)を飲み続ける約束をして安くしてもらう」チケットだとしたら、Savings Plansは「1年間、毎日最低500円分(利用金額)はカフェで何かしらを飲食する約束をする」パスです。今日はブレンドコーヒー(EC2)、明日はカフェラテ(Fargate)、明後日はサンドイッチ(Lambda)と、メニュー(アーキテクチャ)を自由に変えても、500円分までは割引料金が適用されます。
システム開発における具体例は以下の通りです。
- システム移行やモダナイゼーション: 当初は仮想サーバー(EC2)で運用していたシステムを、運用負荷を下げるために途中でコンテナベース(AWS Fargate)へ移行することになった場合でも、Compute Savings Plansを契約していれば、特別な手続きなしにFargateの利用料に対して自動で割引が引き継がれます。
- グローバル展開によるリージョン変更: システムの利用者が海外にシフトしたため、サーバーの稼働場所を東京リージョンからシンガポールリージョンへ移すことになっても、割引が無駄になることなく継続適用されます。
もう少し詳しく
Savings Plansには、主に「Compute Savings Plans」と「EC2 Instance Savings Plans」の2種類があります(※他にSageMaker用などもあります)。
「Compute Savings Plans」は最も柔軟性が高いプランです。最大66%の割引が適用され、EC2インスタンスのファミリー(例:汎用型からコンピューティング最適化型へ)、サイズ、OS、テナンシー、AWSリージョンを問わず割引が適用されます。さらに、EC2だけでなく、サーバーレスコンテナサービスの「AWS Fargate」や、サーバーレスコンピューティングの「AWS Lambda」の利用料金に対しても割引が自動適用されるという強力な特徴を持っています。クラウドネイティブな開発を進める企業にとって非常に使い勝手の良いプランです。
一方、「EC2 Instance Savings Plans」は、特定のリージョンとインスタンスファミリー(例:東京リージョンのm5ファミリー)に限定してコミットするプランです。柔軟性は少し下がりますが、その分、スタンダードRIと同等の最大72%という非常に高い割引率を提供します。OSやインスタンスサイズの変更(例:m5.largeからm5.xlargeへ)には対応できるため、インフラ構成が固まっている場合には有効な選択肢となります。
コミットした金額(例:1時間あたり10ドル)を超過した分の利用については、通常のオンデマンド料金で請求されます。
試験でのポイント
CLF-C02試験では、リザーブドインスタンス(RI)との違いを明確に理解しているかが問われます。「インフラの要件が将来変わる可能性がある」「EC2だけでなくFargateやLambdaも組み合わせて利用している」「リージョンをまたいで柔軟にコストを削減したい」といった要件が問題文にあれば、最適なソリューションは間違いなく「Compute Savings Plans」です。
「コスト削減(1年/3年)」というキーワードが出た場合、システム構成が完全に固定されている場合はRIでも正解になり得ますが、「柔軟性(Flexibility)」や「コンテナ・サーバーレスへの移行」といったワードが含まれている場合はSavings Plansを選ぶようにしてください。また、指定した「金額ベース」でコミットするという概念そのものも出題ポイントになります。
関連する用語
類似の割引プログラムであり、インスタンスタイプベースでコミットを行う「リザーブドインスタンス」、Compute Savings Plansの割引適用対象となるサーバーレスコンテナサービスの「AWS Fargate」、同じく適用対象であるイベント駆動型のサーバーレスコンピューティングサービス「AWS Lambda」などが、セットで理解すべき関連用語です。