MTBFとは
MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)とは、システムが「稼働し始めてから、次に故障するまでの平均時間」のことです。つまり、システムが正常に動き続けている時間の平均値であり、この値が大きければ大きいほど「めったに壊れない信頼性の高いシステム」であることを示します。主にハードディスクなどの部品や、サーバ機器の寿命、ハードウェア製品の品質を表す指標として使われます。稼働率の計算式(MTBF / (MTBF + MTTR))の分母および分子に用いられます。
具体例
ある会社のコピー機が、1回目の故障から2回目の故障までに「1000時間」動き、2回目の故障から3回目の故障までに「1400時間」動いたとします。この場合、故障と故障の間の稼働時間の平均値であるMTBFは、以下のように計算されます。
MTBF = (1000時間 + 1400時間) / 2回 = 1200時間
このコピー機は、平均して1200時間は故障することなく使い続けることができると判断され、これが信頼性の指標になります。
もう少し詳しく
MTBFは、ハードウェアやシステムの「信頼性(Reliability)」を定量的に測るための最も代表的な指標です。システムの連続稼働能力を示すものであり、「どれくらい壊れにくいか」を時間に換算したものです。例えば、あるハードディスクのカタログスペックに「MTBF:100万時間」と記載されていた場合、これは「1台のディスクが100万時間(約114年)壊れない」という意味ではありません。「100万台のディスクを同時に稼働させたら、1時間あたり平均して1台が故障するだろう」という確率的な統計値を示しています。
MTBFの値を大きくする(=システムを壊れにくくする)ための代表的なアプローチとして「フォールトアボイダンス(Fault Avoidance:障害の回避)」という考え方があります。これは、システムを構成する個々の部品に高品質で耐久性の高いものを使用したり、事前の入念なテストを繰り返してバグを徹底的に排除したりすることで、システム自体を極力故障しないように作り込むという手法です。
しかし、現実の物理的な機器や複雑なソフトウェアにおいて、故障を完全にゼロにすることは不可能です。そのため、システム全体の稼働率を高めるためには、MTBFを長くして「壊れにくくする努力」に加えて、後述するMTTR(平均修復時間)を短くして「壊れてもすぐに直せる努力(保守性)」を組み合わせる必要があります。さらに、一部が故障してもシステム全体が止まらないようにする「冗長化」を施すことで、ユーザーから見た実質的なMTBFを無限大に近づけるような設計が行われます。
試験でのポイント
情報処理技術者試験では、MTBFに関する計算問題が頻出します。最も多いのは、MTBFとMTTRの値が与えられ、そこから「稼働率」を求めさせる問題です。公式である「稼働率 = MTBF / (MTBF + MTTR)」は必ず暗記しておきましょう。分母が「全運用時間(稼働時間+修理時間)」であり、分子が「正常に動いている時間」であると理屈で理解しておけば、公式を忘れても自力で導き出すことができます。
また、RASIS(システムの信頼性を評価する5つの指標)に関する出題の中で、MTBFがどの指標に該当するかを問われる問題もあります。MTBFはRASISの「R(Reliability:信頼性)」の度合いを評価するための指標であることをしっかりと紐付けて覚えておくことが重要です。引っかけ問題として、「MTBFが長いほど修復が早い」といった誤った選択肢が用意されることがありますが、修復の早さを示すのは「MTTR」である点に注意してください。
関連する用語
MTBFと必ずセットで登場するのが、故障からの復旧時間を示す「MTTR(平均修復時間)」です。また、システム全体の総合的な品質を評価する枠組みである「RASIS(信頼性、可用性、保守性、保全性、安全性)」の概念の中で、MTBFは「信頼性」を担保する指標として位置づけられます。