ユーザビリティの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

ユーザビリティとは

ユーザビリティとは、製品やサービス、Webサイトなどの「使いやすさ」や「使い勝手の良さ」を表す言葉です。単に機能がたくさんあることではなく、それを使う人が『迷わずに、素早く、ストレスなく目的を達成できるか』という実用性を重視する考え方です。例えば、ボタンの配置や文字の大きさ、操作手順のわかりやすさなどがユーザビリティに大きく関わってきます。これが高い製品は、誰でも直感的に使いこなすことができます。

具体例

スマートフォンで買い物をするアプリを思い浮かべてみましょう。欲しい商品を見つけてから、購入ボタンを押して決済が完了するまでの手順がシンプルで、ボタンが押しやすい位置にあるアプリは「ユーザビリティが高い」と言えます。逆に,どこを押せば次に進めるのか分からず、何度も同じ画面を行ったり来たりしてしまうようなアプリは「ユーザビリティが低い」状態です。

もう少し詳しく

ユーザビリティという言葉は日常的にもよく使われますが、国際規格であるISO 9241-11では、「特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、および満足度の度合い」と厳密に定義されています。この定義には、以下の3つの重要な要素が含まれています。

1. 有効さ(Effectiveness):ユーザーが目的のタスクを最後まで正確にやり遂げられるかどうか。
2. 効率(Efficiency):目的を達成するまでに、どれだけの時間や労力、コストを費やしたか。無駄な手順がないか。
3. 満足度(Satisfaction):使用したユーザーが、不快感なく心地よく使えたか、主観的に満足できたか。

また、ユーザビリティの第一人者であるヤコブ・ニールセン博士は、ユーザビリティを構成する要素として「学習しやすさ」「効率性」「記憶しやすさ」「エラー」「主観的満足度」の5つの因子を提唱しています。これらは、ユーザーがシステムを初めて触ったときから、使い慣れた後、さらにはしばらく触っていなかった状態から再開したときまで、あらゆるフェーズでの使いやすさを総合的に評価するための指標となっています。単に見栄えが良いことだけでなく、ユーザーの行動心理や認知プロセスに基づいてインターフェースを論理的に設計することが、ユーザビリティの向上には不可欠です。

試験でのポイント

ITパスポート試験や基本情報技術者試験などのIT試験においては、「ユーザビリティ」という言葉の意味そのものを問う問題のほか、類似する概念である「アクセシビリティ」や「UX(ユーザーエクスペリエンス)」との違いを正しく理解しているかが頻繁に問われます。

試験対策としては、以下の違いを整理して頭に入れておきましょう。
・ユーザビリティ:特定のシステムや製品において、「特定のユーザー」が「特定の目的」を効率的かつ満足して達成できる度合いに焦点を当てています。
・アクセシビリティ:年齢や障がいの有無、利用する環境を問わず、「すべての人がアクセスして利用できる」という広範な利用可能性に焦点を当てています。
・UX(ユーザーエクスペリエンス):製品やサービスを利用する前、利用中、利用した後に得られる「ユーザーの体験や感情の全体」を指します。

間違いやすい点として、「ユーザビリティが高ければ、すべての人が使いやすい」と誤認してしまうことがあります。ユーザビリティの定義には「特定のユーザー」「特定の状況」という限定的な前提があるため、誰にでも使いやすいという意味のユニバーサルデザインやアクセシビリティとは異なるアプローチである点に注意が必要です。

関連する用語

ユーザビリティを理解する上で、関連する重要な用語には「UX(ユーザーエクスペリエンス)」があります。これはユーザビリティを包含する上位概念であり、使いやすさに加えて楽しさや感動といった感情的な体験を含みます。また、利用者の視点に立って製品を設計するアプローチである「人間中心設計(HCD)」や、高齢者や障がい者を含めた幅広いユーザーへの配慮を示す「アクセシビリティ」も深い繋がりを持っています。これらはどれも、現代のソフトウェア開発やWebサイト構築において、ユーザー視点の重要性を示す代表的なキーワードです。

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