データウェアハウスの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

データウェアハウスとは

データウェアハウス(DWH)とは、企業内のさまざまなシステムから集められた大量のデータを、整理・統合して長期間蓄積しておくための専用のデータベースのことです。「データの倉庫(Warehouse)」という意味を持ち、意思決定やビジネスの分析を行うために使われます。

一般的な業務システム(例えば、レジの会計システムなど)は、日々の取引を素早く処理することに特化していますが、過去数年分のデータをまとめて分析することには向いていません。そこで、分析に必要なデータをさまざまな場所から集め、時系列に整理して保存しておく場所としてデータウェアハウスが利用されます。データウェアハウス内のデータは、後から書き換えられることがなく、分析しやすい形で整理されているのが特徴です。

具体例

例えば、全国に展開するスーパーマーケットチェーンでの活用例を考えてみましょう。

  • 各店舗のレジシステム、オンラインショップの購入履歴、会員カードの登録情報など、別々のシステムに散らばっているデータをデータウェアハウスに一元的に集約します。
  • 蓄積された過去3年分のデータを分析することで、「雨の日にはどの商品が売れるのか」や「特定の地域で人気のある商品の傾向」を導き出し、次の仕入れやキャンペーンの計画に役立てることができます。

もう少し詳しく

データウェアハウスは、DWHの提唱者であるビル・インモンによって「意思決定を支援するために、サブジェクトごとに編成され、統合され、時系列で、非更新の特性を持つデータの集合体」と定義されています。この4つの特徴は、一般的な業務系データベース(OLTP:オンライントランザクション処理)とデータウェアハウス(OLAP:オンライン分析処理)の違いを明確に表しています。

1つ目の「サブジェクト指向」とは、販売、顧客、製品などの特定の業務対象ごとにデータが整理されていることを指します。2つ目の「統合」は、システムごとに表記やコードが異なるデータを、フォーマットを揃えて統一することを意味します。3つ目の「時系列」は、過去から現在にいたるまでの履歴データが消されずに蓄積される特徴です。4つ目の「非更新」は、一度格納されたデータは基本的に読み取り専用となり、削除や書き換えが行われないことを意味します。

また、データウェアハウスを構築する際には、「ETL(Extract, Transform, Load)」と呼ばれるプロセスが不可欠です。社内の多様な業務システムからデータを抽出し(Extract)、フォーマットの変換やクレンジングを行い(Transform)、データウェアハウスにロード(Load)します。さらに、データウェアハウスの中から、特定の部門(営業部や財務部など)や、特定の目的に合わせて一部のデータだけを取り出して構築する、小規模なデータベースを「データマート」と呼び、実務ではこれらを組み合わせて運用します。

試験でのポイント

IT試験では、データウェアハウスの定義や、ビル・インモンが提唱した4つの特徴(サブジェクト指向、統合性、時系列性、非更新性)について問われます。特に、「データウェアハウスのデータは日常的に更新されるか?」といった誤った選択肢を排除できるように、「非更新(追加のみで、更新・削除はしない)」という特徴を強く意識しておくことが大切です。

また、関連するシステムやプロセスである「ETL」の役割や、データウェアハウスから特定の部門用にデータを切り出した「データマート」との違いを正しく理解しているかも問われます。さらに、蓄積されたデータを分析するための手法である「OLAP(多次元分析)」や、後述する「データマイニング」との位置付けの相違(DWHはデータを蓄積する場所、マイニングはそこから法則性を見つける技術)を整理しておく必要があります。

関連する用語

データウェアハウスの周辺知識としては、データを抽出・加工する「ETL」、データ分析を高速に行う「OLAP」、特定の目的に絞ってデータを格納する「データマート」、データから知見を発掘する「データマイニング」、さらに大規模なデータ群を指す「ビッグデータ」などがあり、これらはビジネスインテリジェンス(BI)の基盤をなす要素です。

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