MACアドレスの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

MACアドレスとは

MACアドレス(Media Access Control Address)とは、パソコンやスマートフォン、ルータなどのネットワーク機器に、製造段階で物理的に割り当てられる「機器固有の識別番号」のことです。原則として、世界中に存在するすべての通信機器において、同じMACアドレスを持つものは他に存在しない「世界で唯一無二の番号」となっています。

IPアドレスが「インターネット上の住所」であり、ネットワークの場所の移動に伴って変化するのに対し、MACアドレスは機器そのものに刻まれた「マイナンバー」や「製造番号」のようなもので、どこに移動しても変わることはありません。ネットワークの最終的なデータのやり取り(同じLAN内での通信)では、このMACアドレスを使って「次にどの機器へデータを渡すか」を決定しています。

具体例

オフィスのWi-Fiで、セキュリティを高めるために「MACアドレスフィルタリング」を設定する例を考えてみましょう。

  • 会社のルータに、社員が仕事で使うパソコンのMACアドレス(例:00:1A:3F:F1:2C:45)を登録しておきます。
  • 未登録のパソコンや、外部の不審なスマートフォンがそのWi-Fiに接続しようとしても、ルータが「登録されていないMACアドレスの機器だ」と判断し、電波の接続を遮断します。
  • これにより、IPアドレスを真似されても、機器そのものを偽装することが難しいため、不正アクセスを防ぐことができます。

もう少し詳しく

MACアドレスは、OSI基本参照モデルの第2層(データリンク層)で動作するプロトコルにおいて、通信相手を識別するために用いられる「物理アドレス(ハードウェアアドレス)」です。このアドレスは、48ビット(6バイト)の長さを持っており、通常は「00:1A:3F:F1:2C:45」のように、8ビット(1バイト)ずつコロン「:」またはハイフン「-」で区切った、2桁の16進数(合計12文字)で表記されます。

MACアドレスの48ビットは、前半と後半で役割が分かれています。

  • 前半24ビット(ベンダーコード / OUI):IEEE(米国電気電子学会)という国際的な標準化団体が管理し、ネットワーク機器メーカーごとに個別に割り当てられる「製造メーカーの識別番号(Organizationally Unique Identifier)」です。これを確認することで、その機器がどこのメーカー(Apple、Intel、BUFFALOなど)製であるかを判別できます。
  • 後半24ビット(シリアル番号):各メーカーが、自社で製造するネットワークカード(NIC)ごとに重複しないように個別に割り振る「機器固有の番号」です。

TCP/IPネットワークにおいて、データは最終目的地(IPアドレス)に向かって進みますが、同じLAN内での1区画のデータ転送(ホップバイホップ)においては、MACアドレスが宛先指定に使われます。このとき、IPアドレスから対応するMACアドレスを求めるプロトコルを「ARP(Address Resolution Protocol)」と呼び、これによって動的に住所と機器番号が結びつけられています。

試験でのポイント

試験対策において、MACアドレスの基本情報として「48ビット」の長さであり、「16進数」で表記される仕様は頻出の知識です。また、アドレスの前半24ビットが「製造メーカー(ベンダー)の識別番号(OUI)」であり、IEEEが管理しているという割り当てルールについても正誤問題でよく問われます。

技術的な出題としては、同一セグメント内でのデータ転送時に「IPアドレスからMACアドレスを動的に解決するプロトコル」である「ARP(アープ)」の機能が非常に重要です。ARPリクエストがブロードキャストで送信される点なども狙われます。さらに、セキュリティ対策としての「MACアドレスフィルタリング」の有効性と、MACアドレス自体はパケット盗聴やソフトウェア設定によって偽装されるリスクがあるため完璧な壁ではないという限界についても理解が求められます。

関連する用語

MACアドレスに関連する用語には、論理的な住所である「IPアドレス」、IPアドレスからMACアドレスを解決する「ARP」、機器メーカーを識別する「OUI」、MACアドレスをベースにデータを配送する「スイッチングハブ(L2スイッチ)」、接続可能な機器を物理制限する「MACアドレスフィルタリング」などがあります。

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