ゼロデイ攻撃とは
ゼロデイ攻撃とは、OSやソフトウェアにセキュリティ上の欠陥(脆弱性)が発見された際、開発元がその問題を解決するための「修正プログラム(セキュリティパッチ)」を開発し、公開するよりも前のタイミングで行われるサイバー攻撃のことです。脆弱性が公表されて対策が取られる「日(デイ)」を起点として、「0日目」に行われる攻撃であることからこの名前がついています。防御する側は、弱点を防ぐ盾(パッチ)を持っていない状態であるため、攻撃を防ぐことが極めて難しく、非常に危険度の高い攻撃手法として知られています。
具体例
新しく見つかったWebブラウザの欠陥を突き、パソコンをウイルス感染させる罠をハッカーが仕掛けます。ブラウザの開発会社がこのバグの存在を知って修正ファイルを配布するまでの間、無防備なユーザーがその欠陥を利用されてハッキングされる被害。
1. 脆弱性の発見(攻撃者のみ知る)\n2. ゼロデイ攻撃開始(対策パッチなし、検知困難)★ここがゼロデイ攻撃\n3. 脆弱性の公表・開発元の把握\n4. 対策パッチの配布(ようやく防御可能に)
もう少し詳しく
ゼロデイ(Zero-day)攻撃は、サイバーセキュリティにおいて最も対処が難しい攻撃の一つです。通常、ソフトウェアの脆弱性が発見されると、開発ベンダーが急いで修正プログラム(パッチ)を作成し、ユーザーに配布します。しかし、ゼロデイ攻撃では、この「開発元が脆弱性の存在を把握してパッチを提供する」よりも前に、攻撃者が先に脆弱性を見つけ出し、悪用して攻撃を開始します。
ゼロデイ攻撃が極めて脅威とされる理由は、防御の基本である「パターンマッチング方式(シグネチャ法)」のウイルス対策ソフトや侵入検知システム(IDS/IPS)が機能しない点にあります。これらは既知の攻撃パターンを登録した定義ファイルをもとに検知するため、まだ誰も存在を知らない新しい脆弱性を突いた攻撃コード(エクスプロイト)を「不正な通信」として識別することができません。そのため、防御側は実質的に無防備な状態で攻撃にさらされることになります。
さらに、攻撃者は闇市場で高値で取引される未知の脆弱性情報を購入し、政府機関や特定の大企業に対する国家規模のインテリジェンス活動(APT攻撃など)にゼロデイ攻撃を組み込む傾向があります。パッチが適用されていないOSやネットワーク機器が一度侵入されると、気づかないうちに長期にわたって機密情報が流出し続けるリスクがあります。
試験でのポイント
試験において「ゼロデイ攻撃」は、その言葉の定義(対策パッチが公開される前に行われる攻撃)をしっかりと把握しておくことが最優先です。また、パッチが存在しない期間において、組織として「どのような対策が有効か」を問う技術的な問題やマネジメント問題が出題されます。
・アノマリ検知(ふるまい検知): 既知のパターンに頼らず、通信やプログラムの「普段と異なる異常な動き」をリアルタイムで検知・遮断するアプローチです。ゼロデイ攻撃の検知に非常に有効です。
・サンドボックス技術: メール添付ファイルやダウンロードしたファイルを、ネットワークから隔離された安全な仮想環境(サンドボックス)の中で実際に走らせ、その挙動(不正なファイルの作成、レジストリ書き換えなど)を見て悪意の有無を判断します。未知のマルウェアを無害化・判定する有力な対策です。
・EDR(Endpoint Detection and Response): 侵入を前提とした対策です。PCなどの端末(エンドポイント)のログを監視し、ゼロデイ攻撃によって侵入された痕跡を迅速に検出して該当端末を隔離し、被害を最小限に抑えます。
・多層防御の徹底: 1つの防御壁が破られても、ファイアウォール、アクセス権制限、ネットワークセグメンテーションなど複数の防御層を設けておくことで、被害の拡大を防ぎます。
関連する用語
ソフトウェアやOSに存在するセキュリティ上の弱点「脆弱性」、未知のマルウェアを安全な仮想環境で稼働させて判定する「サンドボックス」、システムへの侵入を前提に事後対応を速める監視システム「EDR」などがあります。