EVMとは

EVM(Earned Value Management:アーンドバリューマネジメント)とは、プロジェクトの進捗状況を「出来高(価値)」という金額の単位に換算して評価するプロジェクト管理手法です。
従来の管理方法では、「全体の50%の時間が経過したから半分進んでいるはず」といった曖昧な判断になりがちでした。EVMでは、計画された予算(PV)、実際に完了した作業の予算上の価値(EV:アーンドバリュー)、実際に発生したコスト(AC)の3つの指標を金額で比較します。これにより、プロジェクトが予定より遅れているのか(スケジュール差異)、予算をオーバーしているのか(コスト差異)を客観的な数値で把握できます。
具体例
例えば、10日間で10万円の予算(1日1万円)でWebページのコーディングを10ページ行う計画があるとします。5日目が終わった時点で、実際には4ページしか完成しておらず、かかった費用が6万円だったとします。この時、EVMでは「出来高(EV)」は4万円(4ページ分)となり、予算6万円に対して2万円の赤字、予定(5万円分)に対して1万円分の遅れが出ていることが明確になります。
もう少し詳しく
EVMは、プロジェクトのスケジュールとコストの両面を統合してリアルタイムに分析できる強力な管理手法です。EVMの最も基本的な指標は次の3つです。まず、計画上でその時点までに完了しているはずの予算額「PV(Planned Value)」。次に、実際に完了した作業を当初の予算額で換算した出来高「EV(Earned Value)」。そして、そこまでに実際に支払った費用「AC(Actual Cost)」です。これらの数値から、スケジュールに遅れがあるかを測る「SV(スケジュール差異=EV - PV)」や、予算を使いすぎていないかを測る「CV(コスト差異=EV - AC)」を算出します。さらに、これらの指数化である「SPI(スケジュール効率指数=EV / PV)」や「CPI(コスト効率指数=EV / AC)」を計算し、1.0を基準として現在のプロジェクトの健康状態を測ります。これにより、プロジェクトの将来の着地点コスト(完了時予測:EAC)や完了までに必要な追加予算(ETC)を論理的に計算することができます。
試験でのポイント
試験では、EVMの各指標の英語の略称と意味を正しく理解し、計算式に基づいて現在の状況を分析する問題が非常に頻出します。計算問題のポイントは、SVとCVのどちらの式も「EV(出来高)から引く」という点です。また、SPIとCPIは「EV(出来高)を分子にして割る」と覚えるのがコツです。計算結果から、「SVが負(SPIが1未満)であればスケジュール遅延」、「CVが負(CPIが1未満)であれば予算超過(赤字)」と正しく判定する判断力が求められます。プロジェクト完了時の総予算を「BAC」と呼び、これらを用いて最終予測を導く考え方も整理しておきましょう。
関連する用語
プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKで推奨されている手法であり、作業項目を決定するWBS、スケジュールを構築するアローダイアグラムやクリティカルパスなどと連動して用いられます。