DRAMの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

DRAMとは

DRAM(Dynamic Random Access Memory)とは、コンピュータの主記憶装置(メインメモリ)として広く使われている半導体メモリの一種です。データを記憶するために「コンデンサ」という非常に小さな電気を蓄える部品を利用しています。コンデンサに電気がたまっている状態を「1」、空の状態を「0」としてデータを識別しますが、コンデンサに蓄えられた電気は時間が経つと自然に放電して失われてしまいます。そのため、データが消えてしまわないように、一定時間ごとにデータを読み直して電気を充電し直す「リフレッシュ動作」という繰り返し作業を行う必要があります。

具体例

DRAMの仕組みは、底に小さな穴が開いたバケツに水を入れておく様子に似ています。時間が経つと水(電気)が漏れて空になってしまうため、水が入っている状態を保ちたいなら、定期的に水を注ぎ足す(リフレッシュする)必要があります。リフレッシュ動作が必要なため回路はやや複雑になりアクセス速度もSRAMより遅くなりますが、構造が単純で1つの部品を非常に小さく作れるため、大容量のメモリを安価に製造することができます。

// DRAMのメモリアクセスの概念
if (定期的なタイマー割り込み) {
    DRAMの全メモリ領域に対してリフレッシュ(再充電)処理を実行する;
}

もう少し詳しく

DRAM(ダイナミックRAM)の最大の特徴は、データを記憶するための基本単位(メモリセル)の構造が極めてシンプルである点です。具体的には、1つのコンデンサ(電荷を蓄える部品)と、1つのトランジスタ(電気の出入りを制御するスイッチ)の組み合わせだけで1ビットのデータを表現できます。この単純な構造のおかげで、同じ面積のシリコンチップの中に無数のメモリセルを高密度に詰め込むことができ、大容量化が容易で製造コストを安く抑えることが可能です。このため、数ギガバイトから数十ギガバイトという大容量が求められる現代のパソコンやスマートフォンの主記憶装置(メインメモリ)には、ほぼ例外なくDRAMが採用されています。

しかし、DRAMのコンデンサは完全な密閉容器ではないため、蓄えられた電気(電荷)は時間が経つにつれて徐々に漏れ出してしまいます。そのまま放置すれば「1」として記録したはずのデータが「0」に変化し、データが破壊されてしまいます。これを防ぐため、DRAMのコントローラは数十ミリ秒という非常に短い間隔で、全てのメモリセルのデータを一度読み出し、弱まった電気を元の強さに充電し直す「リフレッシュ動作」を絶え間なく行い続けています。これがDRAMの「Dynamic(動的)」という名前の由来です。

このリフレッシュ動作を行っている最中は、CPUからそのメモリ領域に対するデータの読み書き要求が来ても処理を待たせる必要があるため、アクセス速度を劇的に向上させることが難しいという構造上の欠点を持っています。そのため、速度が最優先されるCPU内部のキャッシュメモリには、DRAMではなくSRAMが用いられます。

近年では、DRAMのデータ転送速度を向上させるために、CPUの動作クロック信号に同期して高速にデータをやり取りする「SDRAM(Synchronous DRAM)」や、1回のクロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両方のタイミングでデータを転送して速度を倍増させた「DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)」といった技術が主流となっており、DDR4やDDR5といった規格がパソコンなどで広く普及しています。

試験でのポイント

情報処理技術者試験において、DRAMはSRAMとの対比で必ずと言っていいほど出題される重要な用語です。表形式でSRAMとDRAMの特徴を比較させ、正しい記述を選ばせる問題が定番中の定番です。

試験対策として、DRAMについては以下のキーワードをセットで暗記しておく必要があります。

  • 記憶素子:コンデンサを利用して電荷として記憶する。
  • リフレッシュ動作:時間経過で電荷が失われるため、定期的なリフレッシュ(再充電)が「必要」である。
  • アクセス速度と集積度:SRAMに比べてアクセス速度は「遅い」が、構造が単純なため集積度を「高く」でき、大容量化に向いている。
  • 主な用途:主記憶装置(メインメモリ)として用いられる。

特によくあるひっかけ問題として、「SRAMは定期的なリフレッシュが必要である」といった記述を誤りとして見抜くパターンや、「DRAMはキャッシュメモリに用いられる」という誤った組み合わせを見抜くパターンがあります。コンデンサ・リフレッシュ・主記憶装置というDRAMの特徴をしっかり押さえておきましょう。

関連する用語

DRAMと必ず比較されるのが、リフレッシュが不要で高速なSRAMです。また、DRAMが用いられる具体的な場所である主記憶装置や、一定時間ごとに電荷を回復させるリフレッシュ動作そのものも、関連して問われやすい用語です。

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