イノベーション(Innovation / 技術革新・新結合)とは
イノベーションとは、これまでにない新しい技術やアイデア、考え方を取り入れることで、社会や市場に劇的な変化をもたらし、新たな価値を生み出すことです。単なる「新しい発明(インベンション)」にとどまらず、その発明が社会に普及し、人々の生活様式や仕事の仕組みを根本から変えてしまうような革新的な変革を指します。製品の革新だけでなく、ビジネスモデルやサービスの提供方法の革新も含まれます。
具体例
私たちの社会を大きく変えたイノベーションの代表例です。
- スマートフォンの登場:携帯電話にインターネットと高性能なタッチパネル、アプリ配信の仕組みを組み合わせたことで、単なる通話機器から「持ち歩けるパソコン」へと人々の生活様式を劇的に変えました。
- オンラインでの定額音楽配信(サブスクリプション):「CDを購入する・レンタルする」という従来の音楽の聴き方から、「月額固定で数千万曲が聴き放題」という新しいビジネスモデルへ移行させ、音楽業界全体の仕組みを塗り替えました。
もう少し詳しく
イノベーションという概念は、オーストリアの経済学者シュンペーターによって提唱されました。彼はイノベーションを「新結合」、つまり既存の要素と要素の新しい組み合わせであると定義しました。ゼロから全く新しいものを生み出すことだけがイノベーションではなく、既存の技術と別の市場を組み合わせることも立派なイノベーションです。イノベーションには大きく分けて「プロダクト・イノベーション(製品そのものの革新)」と「プロセス・イノベーション(製造方法や流通などの過程の革新)」があります。また、技術の進化の方向性によって、「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」に分類されることもあります。持続的イノベーションは、既存製品の性能を徐々に向上させるもの(例:より高画質なテレビの開発)です。対して破壊的イノベーションは、最初は性能が低くても、安価で使いやすいといった別の価値を提供し、最終的に既存の市場を完全に奪ってしまうような変革(例:デジタルカメラがフィルムカメラを駆逐したこと)を指します。企業が生き残るためには、持続的な改善だけでなく、この破壊的なイノベーションにどう対応するかが大きな経営課題となります。
試験でのポイント
ITパスポートなどの試験では、イノベーションの種類や、関連するビジネスモデルの用語が頻繁に出題されます。特に「プロダクト・イノベーション」と「プロセス・イノベーション」の違いを問う問題は定番です。製品そのものが新しくなるのか、それとも作り方や売り方が新しくなるのかを見極める必要があります。また、前述の「破壊的イノベーション」と「持続的イノベーション」の対比や、自社の技術だけでなく外部のアイデアや技術を積極的に取り入れる「オープンイノベーション」の概念もシラバスで重要視されています。試験対策としては、「イノベーション=単なる発明ではなく、社会や経済に新しい価値をもたらすもの」という本質的な定義をベースに、派生するさまざまなイノベーションの種類とその具体例をセットで暗記しておくことが得点源となります。
関連する用語
イノベーションを深く理解するための関連用語として、組織外の知識や技術を活用する「オープンイノベーション」があります。また、既存の優良企業が顧客の意見を重視しすぎて持続的イノベーションに偏り、新興企業の破壊的イノベーションに敗れ去ってしまう現象を指す「イノベーションのジレンマ」も経営戦略上非常に重要な概念です。さらに、技術革新を経営に生かすための手法である「MOT(技術経営)」も、イノベーションを組織的に創出するための仕組みとして密接に関連しています。