WBSとは
WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)とは、プロジェクトを円滑に進めるために、全体の作業を細かく分解して階層構造で整理した図や表のことです。プロジェクトに必要な作業の「漏れ」や「重複」を防ぎ、誰が何をいつまでにやるべきかを明確にするために使われます。
旅行の準備に例えると、ただ「旅行の準備をする」と計画するのではなく、まず「交通の手配」「ホテルの予約」「荷造り」に分解し、さらに「荷造り」を「着替えの準備」「洗面用具の購入」「常備薬の確認」というように、具体的に行動できるレベルまで小さく切り分ける作業リストです。これによって、作業全体のボリュームを正しく把握できます。
具体例
企業のホームページを作成するプロジェクトにおけるWBSの切り分け方の例です。
- 階層1(プロジェクト全体):ホームページの作成
- 階層2(大分類):デザイン、コーディング、テスト
- 階層3(中分類):デザインの下に「ロゴデザイン」「ヘッダーデザイン」「フッターデザイン」を配置
- 階層4(タスク):ロゴデザインの下に「ラフ案の作成(担当A・期限7/5)」「修正対応(担当A・期限7/10)」を割り当て
もう少し詳しく
WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクト管理におけるスコープ管理の最も基本的なツールです。プロジェクトの全体目標を達成するために必要なすべての作業(ワーク)を、より細かく管理しやすい単位(タスクやワークパッケージ)に分解(ブレイクダウン)し、ツリー構造(ストラクチャー)で表現します。WBSを作成するプロセス自体が、プロジェクトメンバー全員で「何をどこまでやるべきか」というスコープの共通認識を持つために非常に重要です。WBSの最下層の要素は「ワークパッケージ」と呼ばれ、これによって担当者の割り当て、必要なコストの見積もり、作業期間の算定が正確に行えるようになります。WBSが不十分だと、プロジェクト進行中に予期せぬ作業が発生し、スケジュール遅延や予算超過(スコープクリープ)を招く原因となります。WBSを作成する際は、WBSに含まれる作業の合計が、プロジェクトの全スコープ(範囲)と過不足なく一致しなければならないという100%ルールがあります。
試験でのポイント
ITパスポート試験では、WBSの定義や目的がストレートに問われます。「プロジェクトの作業を階層的に分解して整理した図や表」というキーワードを見たら、即座にWBSと結びつけられるようにしましょう。また、WBSを作成するメリットとして、「作業の漏れや重複を防ぐこと」「スケジュールやコストの見積もり精度を向上させること」「作業の担当者を明確にできること」が挙げられます。ガントチャートを作成するための前提インプットとしてWBSが使われる、というプロジェクト管理全体の流れも重要です。「プロジェクトに必要なすべての作業を、階層構造で細分化して管理しやすくした図表」という特徴を把握してください。
関連する用語
ガントチャート、クリティカルパス、スコープ管理、ワークパッケージ、アローダイアグラム