内部統制とは

内部統制(ないぶとうせい)とは、企業が健全かつ効率的に事業を運営し、社会的な信頼を保ち続けるために、組織のすべてのメンバー(経営者から一般社員まで)が守るべきルールや仕組みを会社自らが構築し、正しく運用していく活動のことです。
学校の「校則」や、不正を防ぐための「ダブルチェックの仕組み」の会社版です。誰も見ていないと、ついサボってしまったり、お金の計算を間違えたり、最悪の場合は会社のお金を盗むといった不正が発生してしまう可能性があります。これらを仕組みによって防ぎ、誰が働いても「業務が正しく、効率よく、法律を守って行われる」状態を作ることが目的です。
具体例
会社のお金を管理する経理部門において、以下のような内部統制が実施されます。
- 業務の分離:会社の銀行口座からお金を引き出す指示を出す人と、それを帳簿に記録する人を別々の担当者にすることで、1人だけの判断で不正にお金を引き出せないようにする。
- 承認制度:出張費用の精算の際、本人が申請した領収書を上司が確認し、電子承認のボタンを押さないと経費が振り込まれないシステムにする。
もう少し詳しく
内部統制は、2000年代初頭の企業不祥事を契機に、法的な義務付け(日本では金融商品取引法に基づくJ-SOX法など)が進んだコーポレートガバナンスの重要な仕組みです。金融庁の定義によると、内部統制は「業務の有効性及び効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令等の遵守」「資産の保全」の4つの目的を達成するために、組織内に整備・運用されるプロセスとされています。これを支えるITの役割を「IT統制」と呼び、システム変更の承認フローやアクセス権限の管理(誰がシステムにログインしてデータを変更できるか)がこれに該当します。組織内に適切な内部統制が機能していることで、従業員のヒューマンエラーを減らし、組織的な不正行為を抑止することができます。手作業でのチェックでは見落とされがちなミスや、悪意ある操作をシステム的に防ぐことを「IT業務処理統制」と呼びます。
試験でのポイント
試験においては、内部統制の4つの目的(業務の効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全)や、それを達成するための基本要素(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動など)の概念が問われます。また、ITシステムを活用した内部統制(IT業務処理統制やIT全般統制)の具体例として、「アクセスログの取得と監視」「業務の職務分掌(申請者と承認者を分けること)」などが挙げられます。企業が自己の責任で健全な経営体制を維持するための社内ルールである、という本質を捉えておきましょう。ITシステムを活用した内部統制(IT業務処理統制やIT全般統制)の具体例として、「アクセスログの取得と監視」「業務の職務分掌」などが具体例として問われやすいポイントです。
関連する用語
システム監査、コーポレートガバナンス、職務分掌、IT統制、J-SOX法