クライアントサーバシステムの解説(ITパスポートシラバス用語)

目次

クライアントサーバシステムとは

クライアントサーバシステムは、ネットワークに接続されたコンピュータの役割を、サービスや情報を要求する「クライアント」と、それらを提供・管理する「サーバ」の2つに明確に分けて運用する仕組みのことです。クライアント(顧客)が「こういうデータが欲しい」とリクエストを送り、サーバ(給仕人)がその要求を処理して結果をレスポンスとして送り返すことで成り立っています。この役割分担により、複雑な計算や大量のデータ管理を高性能なサーバ側に集中させることができ、手元のパソコンやスマートフォン(クライアント)の負担を減らすことができます。

具体例

最も身近な例は、スマートフォンでWebサイトを閲覧する仕組みです。あなたがスマートフォンのブラウザ(クライアント)で「検索ボタン」を押すと、インターネットを通じてWebサーバー(サーバ)に「このページを表示して」というリクエストが送られます。Webサーバーは要求された画像や文章のデータを準備し、スマートフォンに返信します。ブラウザはそのデータを受け取り、画面にWebページとして表示します。

もう少し詳しく

クライアントサーバシステム(クラサバシステム)は、コンピュータネットワークの発達とともに普及した分散システムの一種です。それ以前の主流だったメインフレーム(大型ホストコンピュータ)に端末を繋ぐ集中処理システムと比べ、柔軟性が高くコストを抑えられることから、多くの企業システムに採用されました。クラサバシステムでは、役割分担のレイヤー(階層)に応じて様々な構成があります。例えば、クライアント、アプリケーションサーバ、データベースサーバの3つに役割を分けた「3層クライアントサーバシステム」は非常に一般的です。これにより、デザイン(プレゼンテーション層)、業務処理ルール(ファンクション層)、データ管理(データ層)を独立して開発・保守できるようになり、システムの拡張性やセキュリティが大幅に向上しました。また、クライアントの種類として、すべての処理をサーバ側で行い、クライアント側には画面表示などの最小限の機能しか持たせない「シンクライアント」という構成もあります。

試験でのポイント

試験では、クライアントサーバシステムと「ピアツーピア(P2P)システム」との違いがよく問われます。ピアツーピアは、サーバを介さずに接続されたコンピュータ同士が対等の立場で直接データをやり取りする方式です。クラサバシステムが「サーバにデータや処理が集中する」のに対し、ピアツーピアは「負荷やデータが各コンピュータに分散される」という特徴があります。また、3層クライアントサーバシステムの各層(プレゼンテーション層、ファンクション層、データアクセス層)の役割や、サーバがダウンした際の影響範囲(クラサバではサーバが停止するとすべてのクライアントがサービスを利用できなくなるという単一障害点の問題)についても出題されやすいため、利点と欠点の双方を頭に入れておく必要があります。

関連する用語

関連する用語としては、対等な接続方式である「ピアツーピア(P2P)」、処理と管理を担う「データベースサーバ」、そして安全性の観点からクライアント端末にデータを残さない仕組みである「シンクライアント」があります。これらと比較することで、システム全体の構成方法に関する知識を整理できます。

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