仮想化の解説(ITパスポートシラバス用語)

目次

仮想化とは

仮想化とは、専用のソフトウェアを用いることで、1台の物理的なコンピュータ(サーバやパソコン)の内部を分割し、まるで複数台の独立したコンピュータが存在しているかのように見せかける技術です。逆に、複数台のコンピュータをまとめて1台の巨大なコンピュータに見せることもできます。仮想化技術により、従来はシステムごとに別々の物理的な機械を用意していたものを1台に集約できるため、オフィスの省スペース化、電気代の削減、導入コストの低下など多くのメリットが得られます。また、OSやハードウェアの依存関係を切り離すことができるため、バックアップや復旧も容易になります。

具体例

例えば、普段Windowsが搭載されているパソコンを使っている人が、特定のテストや古いソフトを動かすために、パソコンの中に仮想化ソフトウェア(VirtualBoxなど)を導入したとします。このソフトを使うことで、Windowsが動いている同じ画面の中で、もう一つの独立した画面としてLinuxや古いバージョンのWindowsを同時に立ち上げて操作することができます。これがデスクトップの仮想化の例です。

もう少し詳しく

仮想化の技術は、クラウドコンピューティング(AWSやAzureなど)の進化を支える基盤技術でもあります。物理的なハードウェア上に「ハイパーバイザ」と呼ばれる制御ソフトウェアを動作させることで、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークなどの物理的な計算資源(リソース)を自由な割合で切り分け、複数の「仮想マシン(VM: Virtual Machine)」を作成します。各仮想マシンは、それぞれ独自のOS(ゲストOS)をインストールして完全に独立して動作させることができます。仮想化には大きく分けて、物理OS上で仮想化ソフトを動かす「ホスト型」と、物理ハードウェアの直上で仮想化管理ソフトを動かす「ハイパーバイザ型」があります。ビジネスやサーバ構築の分野では、動作が高速で余分なOSの負荷がないハイパーバイザ型が広く採用されています。さらに近年では、OSの機能を共有することで、仮想マシンよりも軽量かつ迅速に独立した動作環境を構築できる「コンテナ技術(Dockerなど)」も仮想化の新しい潮流として広く普及しています。

試験でのポイント

試験において仮想化技術は、ITシステム設計やクラウドサービスに関連して頻繁に登場します。特に、仮想化を行う最大のメリットである「サーバの集約」や「リソースの有効活用」が選択肢の正解となることが多いです。また、ホスト型とハイパーバイザ型の特徴の違いや、ハードウェアの構成を変えずにソフトウェアの操作だけでサーバのスペック(CPUコア数やメモリ容量)を柔軟に変更できる点、さらに、稼働中の仮想マシンを別の物理サーバへ無停止で移動させる「ライブマイグレーション」の仕組みについても出題されます。クラウドサービスの基本概念であるIaaSやPaaSを理解するためのベースとしても、仮想化の仕組みを正確にイメージできるようにしておく必要があります。

関連する用語

仮想化に関連する重要なキーワードには、仮想化を制御するソフトウェアである「ハイパーバイザ」、仮想化技術をベースにインターネット経由でインフラを提供する「クラウドコンピューティング」、そして仮想化された独立した環境である「仮想マシン(VM)」があります。これらを併せて理解することで、現代のITインフラ設計の基礎が網羅できます。

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