稼働率とは
稼働率とは、システムが一定期間の中で、故障やメンテナンスなどで停止することなく、正常に動作し続けていた時間の割合を示す指標です。システムの信頼性を測るための重要な尺度であり、百分率(%)で表されます。数値が100%に近いほど、そのシステムは安定しており、いつでも利用可能な状態であることを意味します。企業の基幹システムやWebサービスなどでは、24時間365日止まらないことが求められるため、稼働率を「99.99%(スリーナイン)」や「99.999%(ファイブナイン)」といった非常に高い水準に維持するための工夫が行われています。
具体例
例えば、あるオンラインショッピングサイトが、1年間(合計8,760時間)のうち、システムの不具合や計画メンテナンスによって合計で87.6時間停止したとします。この場合の正常稼働時間は「8,760時間 - 87.6時間 = 8,672.4時間」となります。この稼働時間を全体の時間で割ると、以下のような計算式になり、このシステムの稼働率は99.0%であると求められます。
8672.4時間 / 8760時間 * 100 = 99.0%
もう少し詳しく
稼働率は、システムの信頼性を表す指標であるMTBF(平均故障間隔:Mean Time Between Failures)と、保守性を表す指標であるMTTR(平均修復時間:Mean Time To Repair)を用いて算出することができます。計算式は「稼働率 = MTBF / (MTBF + MTTR)」です。MTBFはシステムが起動してから次に故障するまでの平均時間であり、この値が大きいほど壊れにくいシステムです。MTTRは故障してから復旧するまでにかかる平均時間であり、この値が小さいほど素早く直せるシステムです。システム全体の稼働率を高めるためには、壊れにくい部品を使ってMTBFを延ばすか、予備の部品を用意してマニュアルを整備することでMTTRを短くするアプローチが必要となります。また、複数の機器を組み合わせる場合、すべての機器が動いて初めて動作する「直列接続」と、どちらか一方が動いていれば動作する「並列接続」でシステム全体の稼働率の計算方法が異なります。
試験でのポイント
試験では、稼働率の計算問題が定番中の定番として出題されます。具体的には、2台の装置を繋いだシステムにおいて、「直列接続システム全体の稼働率 = 装置Aの稼働率 × 装置Bの稼働率」となる点、および「並列接続システム全体の稼働率 = 1 - (1 - 装置Aの稼働率) × (1 - 装置Bの稼働率)」となる計算方法を確実に解けるようにしておく必要があります。また、MTBFとMTTRの定義、それぞれの値が大きくなると稼働率がどう変化するか(MTBFが大きくなれば稼働率は上がり、MTTRが大きくなれば稼働率は下がる)といった関係性を問う問題も多いため、公式の暗記だけでなくそれぞれの英語の意味と役割を理解しておくことが合格への鍵となります。
関連する用語
稼働率を学ぶ際に関連する用語としては、システムの信頼性指標である「MTBF(平均故障間隔)」、復旧速度を示す「MTTR(平均修復時間)」、そしてシステムの二重化などにより信頼性を高める設計手法である「冗長化」が挙げられます。これらを組み合わせて理解することで、可用性の高いシステム構築の理論が身に付きます。