標的型攻撃メール訓練の解説(情報セキュリティマネジメントシラバス用語)

標的型攻撃メール訓練の解説(情報セキュリティマネジメントシラバス用語)
目次

標的型攻撃メール訓練とは

標的型攻撃メール訓練とは、特定の企業や組織を狙って送られる、実在する人物や取引先を装った偽のメール(標的型攻撃メール)への対処法を身につけるための体験型訓練です。この種のメールは、日常の業務連絡にそっくりなタイトルや本文で作られているため、見分けるのが非常に困難です。あらかじめ作成した「模擬の攻撃メール」を社員に送信し、実際に受信したときに怪しい点に気づいて適切に報告できるかを確認・教育するために実施されます。

具体例

社内で行われる標的型攻撃メール訓練の流れです。

  1. メールの送信:人事部や管理者を装って「【重要】給与明細のシステム変更について」という件名で、偽のリンクが含まれたメールを全社員に送信します。
  2. 社員の対応:メールを開いた社員が、差出人のアドレス(ドメインが異なるなど)がおかしいことに気づき、リンクをクリックせずにシステム管理部門へ報告できるかを試します。
  3. 結果の振り返り:リンクをクリックしてしまった人数を集計し、「なぜ騙されてしまったのか」「どうすれば見抜けたか」の解説資料を配布して、次回の防止につなげます。

もう少し詳しく

標的型攻撃メールは、特定の企業が持つ知的財産や個人情報を盗み出すために、巧妙な手口で送られるサイバー攻撃です。一般的な迷惑メールやスパムメールとは異なり、受信者の実在する取引先名やプロジェクト名を語り、さらに日常のビジネスで交わされるような丁寧な日本語で書かれているため、セキュリティシステムによる自動検知をかいくぐって従業員の受信ボックスに届くリスクが極めて高いのが特徴です。これを防ぐために行う標的型攻撃メール訓練は、従業員に対して「怪しいメールを見抜く目」と「クリックしてしまった後の迅速な報告行動」の両方を身につけさせるために実施します。訓練は単発で終わらせるのではなく、メールの件名や難易度(一見して怪しいものから、非常に精巧なものまで)を変えながら年に複数回実施し、組織全体の開封率を徐々に下げていくアプローチが有効です。また、訓練の真の目的は「引っかかった社員を叱責・特定すること」ではなく、「万が一開封してしまった際に、隠蔽せずに即座にCSIRTなどの管理部門へ報告できる信頼関係・体制(通報訓練)」を構築することにあります。

試験でのポイント

試験においては、標的型攻撃メールの特徴(取引先や業務連絡を装い、特定の組織を狙って送られる)と、それを踏まえた訓練の手順や目的が問われます。特に出題されやすいのが「開封率をゼロにすることは不可能であるため、開封した後の報告の迅速化(インシデントへの初動対応)を訓練することが重要である」という考え方です。また、標的型攻撃メールで見られる技術的・文面上の特徴(送信元のドメイン名がわずかに異なる、添付ファイルの拡張子が二重になっている、リンク先URLが不審など)について従業員が気づくべきポイントが問題の選択肢として登場します。

関連する用語

標的型攻撃メール訓練に関連する用語には、従業員全体の防衛意識を高める「セキュリティ教育・訓練」、インシデントが発生した際に連絡を受ける組織である「CSIRT」、およびメールの開封時にマルウェアを検知して遮断する「多要素認証」や「アクセス制御」などの技術的対策があります。

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