確率の解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

確率とは

確率(かくりつ)とは、ある出来事(事象)が起こる可能性の度合いを、0から1の間(あるいは0%から100%の間)の数値で表したものです。すべての結果が同様に起こると期待されるとき、「求めたい出来事が起こる場合の数」を「起こり得るすべてのパターンの数」で割ることで計算できます。ITの分野では、ネットワーク通信でのデータ紛失の発生率、AI(人工知能)が予測を行う際の自信の度合い(確信度)、迷惑メールフィルターが受信したメールを「スパム」と判定する基準など、不確実な状況下でプログラムが最適な判断を下すために確率の考え方が広く活用されています。

具体例

最も身近な例として、サイコロを振って「3の目」が出る確率を考えてみます。

・サイコロのすべての目の数(全体の場合の数): 6通り(1, 2, 3, 4, 5, 6)
・「3の目」が出る場合の数: 1通り
・確率の計算: 1 ÷ 6 = 約 0.167(約 16.7%)

この結果から、サイコロを1回振ったときに3が出る可能性は約16.7%であると数値で客観的に評価できます。システム開発でも、このような計算を用いてサーバーの故障リスクなどを予測します。

もう少し詳しく

確率は、単なる数学の概念にとどまらず、現代の高度な情報システムを構築・運用する上で不可欠な基礎理論です。システムには必ず「不確実性」が伴います。例えば、「ハードディスクが1年以内に故障する確率はいくつか」「Webサイトに1秒間に1000回以上のアクセスが集中する確率はいくつか」といったリスク評価において、確率の知識を用いて定量的な分析を行います。これを元に、サーバーを何台用意して冗長化すべきかといったシステム投資の判断が下されます。

また、近年急速に発展している機械学習やAI(人工知能)の分野は、確率と統計の理論の上に成り立っています。例えば、画像認識AIが写真を見て「これは猫である」と判断する際、AIは「猫である確率が95%、犬である確率が4%、その他が1%」といった確率分布を内部で計算し、最も高い確率のものを最終的な答えとして出力しています。さらに、自然言語処理(文章の自動生成や翻訳)においても、「この単語の次には、どの単語が来る確率が最も高いか」という推論を膨大なデータセットから計算することで、人間が書いたような自然な文章を生成しています。このように、確率を活用することで、システムは単なる「決められた手順の実行(決定論的な処理)」を超えて、「状況に応じた柔軟で知的な推論」を行うことができるようになります。

試験でのポイント

基本情報技術者試験などの応用数学分野では、確率に関する計算問題がコンスタントに出題されます。基本的な「事象の確率(全体に対する特定の事象の割合)」を求める問題に加えて、複数の事象が絡み合う「加法定理(または)」や「乗法定理(かつ)」を使った問題が頻出です。例えば、「サイコロを2回振って、両方とも偶数が出る確率(乗法定理)」や「あるシステムAが故障する確率とBが故障する確率から、システム全体が停止する確率を求める」といった形で、ITの稼働率計算(信頼性工学)と絡めて出題されることがよくあります。

試験対策としては、問題文を読んだ際に、各事象が「互いに独立している(影響し合わない)か」あるいは「排反である(同時には起こらない)か」を見極める力を養うことが重要です。また、「少なくとも1回は〜が起こる確率」を問われた場合は、まともに計算すると場合分けが多くて複雑になるため、「1(全体)から『1回も〜が起こらない確率(余事象)』を引く」というテクニックを使うと素早く解けます。期待値の計算問題も確率の知識がベースとなるため、確率の基本的な計算ルールを確実にマスターしておくことが、応用問題での得点力に直結します。

関連する用語

期待値、順列、組合せ

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