RFPの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

RFPとは

RFP(Request for Proposal:提案依頼書)とは、企業が新しいシステムを開発したり、IT製品を導入したりする際に、発注先候補となるシステム開発会社(ベンダー)に対して、「このようなシステムを作ってほしいので、具体的な提案書や見積書を出してください」と依頼するための公式な文書のことです。

RFPには、導入の目的、解決したい課題、システムに求める機能、予算、納期、開発の体制などが詳しく記載されます。これを用意することで、複数の開発会社から自社の条件にぴったり合った質の高い提案を集め、客観的に比較・検討することが可能になります。曖昧な指示による「思っていたものと違うシステムができてしまう」というトラブルを防ぐためにも重要です。

具体例

例えば、ある小売会社が古いネットショップシステムを新しく作り直すためにRFPを作成する場合の具体例です。

  • RFPに記載する内容:「スマホ対応を必須とし、クレジットカード決済とスマホ決済を導入すること」「注文処理の時間をこれまでの半分に短縮すること」「予算は1500万円以内で、来年の4月にオープンすること」などの条件を文書にまとめる。
  • この文書を3社の開発会社に提示し、「この条件をクリアするためのシステム構成案と、正確な見積もりを提示してください」と依頼する。

もう少し詳しく

RFPは、システム発注における「調達」プロセスにおいて中核的な役割を果たします。RFPを作成する目的は、発注元とベンダーの間の「情報の非対称性(認識のズレ)」を解消し、公平で適正な契約を結ぶことにあります。RFPには、システム化の対象となる業務範囲、必要な機能要件、セキュリティや信頼性などの非機能要件、プロジェクトの体制、開発スケジュール、予算制限、さらにはベンダー側に提出を求める「提案書のフォーマット」や「選定基準」までを網羅的に記述します。

RFPを提示されたベンダー側は、これに沿って最適なハードウェア構成やソフトウェアの設計、プロジェクトメンバーの布陣、詳細な見積額を含めた「提案書」を作成します。発注元は届いた提案書をRFPに記載した選定基準に照らし合わせて客観的に評価し、最適なベンダーを決定(ソーシング)します。これにより、感情的な決定を避け、技術的・コスト的に最も適したパートナーを選び出すことができ、プロジェクト開始後の要件の追加や費用の高騰といったトラブルを防ぐ防波堤になります。

試験でのポイント

試験対策としては、RFPの定義と、システム調達プロセスにおける順序(RFIとの関係)が最重要です。発注プロセスは、まず情報収集のための「RFI(情報提供依頼書)」を送付し、次に具体的な提案を求める「RFP(提案依頼書)」を送付し、ベンダーから「提案書」を受け取って選定する、という順番で進みます。この一連の流れと各文書の役割を整理しておく必要があります。

また、RFPを作成するのは「発注側(ユーザー企業)」であり、受け取って提案書を作成するのが「受注側(ベンダー)」であるという主体の切り分けや、RFPを提示することで複数ベンダーからの提案を公平に比較しやすくなる(相見積もりによるコスト抑制や選定プロセスの透明化)というメリットについても頭に入れておきましょう。

関連する用語

RFPに関連する用語には、RFPの前段階で情報提供を求める「RFI」や、ベンダーが作成して提出する「提案書」、最適な調達先を選定する「ベンダー選定」があります。また、開発範囲や品質を合意するための「要件定義」や、システム化の要件を整理する「要求分析」とも直結しています。

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