セグメンテーションの解説(ITパスポートシラバス用語)

目次

セグメンテーション(Segmentation / 市場細分化)とは

セグメンテーションとは、多様な顧客が存在する市場全体を、共通のニーズや特徴を持ついくつかのグループ(セグメント)に細かく分類することです。すべての顧客に対して同じアプローチをするのではなく、市場を分けることで、自社がどのグループに狙いを定めるべきか(ターゲティング)を明確にし、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。分類には、年齢、性別、住んでいる地域、ライフスタイルなどが使われます。

具体例

例えば、衣料品メーカーが冬向けの防寒着を販売する際、以下のようにセグメンテーションを行います。

  • 年齢・性別:「20代の働く女性」と「60代のアクティブな男性」
  • 住む地域(気候):「雪が多く降る寒冷地」と「冬でも比較的暖かい温暖地」
  • ライフスタイル:「通勤・通学で毎日外出する人」と「週末にアウトドアを楽しむ人」

このように分類することで、「寒冷地に住む20代の働く女性」向けに、薄手で着膨れしないが非常に暖かいオフィス用コートを開発する、といった具体的なアプローチが可能になります。

もう少し詳しく

セグメンテーション(市場細分化)は、現代のマーケティングにおいて不可欠なステップです。かつての高度経済成長期のように「作れば売れる」「全員が同じようなモノを欲しがる」時代(マス・マーケティングの時代)であれば、市場全体に同じ商品を同じ方法でアピールしても十分な効果がありました。しかし、現代は消費者の価値観やライフスタイルが非常に多様化しており、「すべての人に好かれる無難な商品」を作ろうとすると、結果的に「誰にとっても魅力的ではない中途半端な商品」になってしまいます。そこで、市場を意味のある同質なカタマリ(セグメント)に切り分けるセグメンテーションが必要になります。市場を細分化する際によく使われる基準(変数)には、大きく分けて4つの種類があります。1つ目は地理的変数(地域、気候、人口密度など)。2つ目は人口統計的変数(年齢、性別、職業、所得、家族構成など)。3つ目は心理的変数(ライフスタイル、価値観、性格など)。そして4つ目が行動的変数(購買頻度、使用目的、ブランドへのこだわりなど)です。近年は、インターネット上の閲覧履歴やスマートフォンの位置情報など、デジタルデータが豊富に得られるようになったため、AIを活用したより精密で細かいセグメンテーションが可能になりました。ただし、細かく分けすぎると、ターゲットとなる顧客の人数が少なすぎてビジネスとして成り立たなくなってしまうため、「そのセグメントには十分な市場規模と利益が見込めるか」「プロモーションが到達可能な顧客層か」といった基準で有効性を判断することが重要です。細分化に成功すれば、限られた予算や人員(経営資源)を最も効果が出やすい層に集中投下することができ、競合他社との差別化も図りやすくなります。

試験でのポイント

ITパスポートや基本情報技術者試験において、セグメンテーションはマーケティング戦略の基本中の基本として頻出です。試験では「市場をある基準で分割し、同質なニーズを持つ顧客グループに分類すること」という説明から「セグメンテーション(市場細分化)」を答えさせる問題が定番です。間違いやすいポイントとして、セグメンテーションの次に行う「ターゲティング(標的市場の選定)」や「ポジショニング(自社の位置づけ)」との混同があります。セグメンテーションはあくまで「市場を分ける(切り刻む)作業」であり、その分けたグループの中から「どこを狙うかを決める作業」がターゲティングです。問題文に「市場を分割する」「細分化する」というキーワードがあればセグメンテーション、「特定の市場に狙いを定める」とあればターゲティングと判断できるようにしておきましょう。また、分類に用いられる基準(人口統計的変数など)の具体例が問われることもあるため、どのような切り口で市場を分けるのかをイメージできるようにしておくことが確実な得点につながります。

関連する用語

セグメンテーション(Segmentation)は、その後に行われるターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)と一連の流れになっており、これら3つの頭文字をとって「STP分析」と呼ばれます。また、特定の狭いセグメントのみに資源を集中させる経営戦略である「ニッチ戦略」や、一人ひとりの顧客のニーズに合わせた究極の細分化とも言える「One to Oneマーケティング」も関連する重要なビジネス用語です。

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