IoT活用の解説(ITパスポートシラバス用語)

目次

IoT(Internet of Things / モノのインターネット)活用とは

IoT(アイオーティー)活用とは、これまでインターネットに接続されていなかった身の回りのさまざまな「モノ」(家電、車、工場の機械、農業用のセンサーなど)に通信機能を持たせ、インターネットを通じてデータをやり取りしたり、遠隔で操作したりする仕組みを活用することです。モノに搭載されたセンサーが周囲の状況を検知してデータとして送り、それを分析することで、自動で動作を調整したり、便利なサービスを提供したりします。

具体例

私たちの暮らしやビジネスにおけるIoTの代表的な活用例です。

  • スマートエアコン:外出先からスマートフォンのアプリを使って、帰宅する前に部屋のエアコンのスイッチを入れて暖めておくことができます。
  • 農業用の環境センサー:ビニールハウス内の温度、湿度、土壌の水分量を自動で測定し、インターネット経由で農家のスマートフォンに通知します。設定した数値を超えると、自動でスプリンクラーが作動し水を撒きます。

このように、モノとインターネットをつなぐことで、手動の手間をなくし、生活やビジネスの効率を大幅にアップさせます。

もう少し詳しく

IoTの活用は、私たちの社会を「データ駆動型」のスマートな社会へと根本から変革する原動力となっています。これまでインターネットに接続されていたのはパソコンやスマートフォンといった「IT機器」が中心でしたが、IoTの時代では、自動車、家電、工場の機械、医療機器、さらにはペットの首輪や農地の土に至るまで、あらゆる「モノ」がインターネットに接続されます。

IoTシステムは、大きく分けて「データ収集」「データ送信」「データ分析」「フィードバック(行動)」の4つのプロセスで機能します。まず、モノに組み込まれた各種センサー(温度センサー、GPS、カメラなど)が、周囲の物理的な状況をデジタル「データ」として収集します。次に、その大量のデータをモバイル回線やWi-Fiなどを通じてクラウド上のサーバーへ「送信」します。そして、クラウドに集められたビッグデータを、AI(人工知能)などを用いて高度に「分析」し、意味のある情報や予測を導き出します。最後に、その分析結果をもとに、モノに対して「自動で温度を下げる」「故障する前に管理者にアラートを出す」といった最適な「フィードバック」を行い、現実世界を制御します。

ビジネスの現場では、工場の設備にセンサーを取り付けて振動や音のデータを常時監視し、故障してラインが止まる前に部品を交換する「予知保全」が行われたり、物流業界ではトラックの走行データを分析して最も燃費が良く効率的な配送ルートを自動生成したりと、劇的な生産性向上をもたらしています。一方で、IoT機器は無数に存在し、しかも軽量化のために高度なセキュリティソフトを組み込みにくいケースも多いため、サイバー攻撃の標的にされやすいという脆弱性の問題があります。乗っ取られたIoT家電が、他のサーバーを攻撃するための踏み台(ボットネット)にされる事件も起きており、セキュリティ対策が急務となっています。

試験でのポイント

ITパスポート試験などでは、IoTに関する問題は非常に高い頻度で出題されます。最も典型的なパターンは、「あらゆるモノがインターネットに接続され、情報をやり取りする仕組み」という説明文から「IoT」という用語を選択させる問題です。

また、IoTに関連する要素技術や構成要素について問われることも多くあります。例えば、現実世界の情報を読み取る「センサー」の役割や、データを処理する「エッジコンピューティング」という概念です。エッジコンピューティングとは、すべてのデータを遠くのクラウドに送るのではなく、モノの近く(エッジ側)でデータを一次処理し、通信の遅延やネットワークの負荷を減らす技術であり、自動運転や工場のリアルタイム制御など、即時性が求められるIoTシステムで重要なキーワードとなります。さらに、集められた膨大なデータである「ビッグデータ」や、それを分析する「AI(人工知能)」との組み合わせに関する問題も定番です。「IoTでデータを集め、AIで分析し、新たな価値を生み出す」という三位一体のつながりをしっかりと理解しておきましょう。セキュリティ分野では、IoT機器を狙った攻撃(Miraiなどのマルウェア)に関する出題も増えています。

関連する用語

関連する用語として、「ビッグデータ」、「AI(人工知能)」、「エッジコンピューティング」などが挙げられます。ビッグデータは、IoTなどから収集される、従来では処理が困難なほど巨大で複雑なデータの集まりを指します。AIは、人間のような学習や推論などの知的な処理をコンピュータに行わせる技術で、IoTで集めたデータを分析するために不可欠です。エッジコンピューティングは、端末の近く(エッジ)でデータ処理を行い、クラウドへの通信遅延を防いだり、リアルタイムな処理を実現したりするネットワークの仕組みです。

読んだ内容を10問練習と実技で確認

記事で理解した用語を、StudyQuestの演習とクラウド実技ラボで定着させます。

10問練習 実技ラボ