BPMの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

BPMとは

BPM(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)とは、企業が業務プロセス(仕事の進め方)を一度見直して終わりにするのではなく、継続的に「計画(Plan)」「実行(Do)」「監視・分析(Check)」「改善(Act)」のサイクルを回し、常に最適な状態へと改善し続ける管理手法のことです。

業務の流れを「見える化」するための図(フロー図)を描き、どこで時間がかかっているか、どこでミスが起きやすいかをシステムやデータを使って分析します。一回限りの劇的な改革を行うBPR(業務プロセス再構築)とは異なり、BPMは日々の業務の中で少しずつ、かつ終わりなく改善のサイクルを回し続けるのが特徴です。

具体例

例えば、クレジットカードの入会審査業務におけるBPMの具体例です。

  • 分析と見える化:申請の受付からカード発送までの手順をフロー図に描き、書類の不備チェックに最も時間がかかっている(ボトルネックである)ことを特定する。
  • 改善の実行:不備を減らすために、Web申請画面での入力チェック機能を強化する。
  • 効果の測定:改善後、不備率がどれだけ下がり、全体の処理時間が何時間短縮されたかを分析ツールで監視する。このサイクルを定期的に繰り返して手順を研ぎ澄ましていく。

もう少し詳しく

BPMの最大の特徴は、業務プロセスを「PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクル」に乗せて継続的に改善していく管理サイクルそのものにあります。BPMを実践するためのシステムとして「BPMS(Business Process Management Suite/System)」と呼ばれるソフトウェアがあり、これを用いることで業務フローのモデリング、実行、監視、分析を一元的に行うことができます。BPMSを活用すると、業務の進捗状況や処理にかかっている時間をリアルタイムで測定(プロセスマイニングなどとも呼ばれます)できるようになり、感覚ではなく客観的な数値データに基づいてボトルネックを特定することが可能になります。

また、BPMにおいては単に社内業務の効率化だけでなく、顧客満足度の向上やコンプライアンス(法令順守)の確保など、経営目標に直結する成果が求められます。業務フローが標準化され可視化されることで、新入社員の教育コストが下がったり、業務の属人化を防いだりできる効果もあります。こうした改善活動を組織的に根付かせ、常に変化する市場環境や技術革新(RPAやAIの導入など)に業務プロセスを適応させ続けることが、BPMの真の目的です。

試験でのポイント

試験対策としては、やはり「BPR(業務プロセス再構築)」とのコンセプトの違いを対比して覚えておくことが重要です。BPRが「根本的・劇的(ドラスティック)な変革を一度に行うこと」であるのに対し、BPMは「継続的・段階的な改善(PDCA)を回し続けること」です。問題文の中で「継続的に」「PDCAサイクルを回す」といった文言があればBPMを指し、「根本的に見直す」「ゼロから再設計する」といった文言があればBPRを指すと判断できます。

また、BPMを実行するためのITツールである「BPMS」がどのような機能(業務フローの可視化、実行管理、効果測定など)を持っているかについても出題されることがあります。PDCAサイルの各フェーズがどのような作業に対応するのか、具体例とあわせて整理しておきましょう。

関連する用語

BPMに関連する用語には、劇的な業務プロセス改革である「BPR」や、定型業務を自動化する「RPA」、業務効率化のためのフレームワークである「PDCAサイクル」があります。また、業務フローを記述するための標準的な表記法である「BPMN(Business Process Model and Notation)」についても、併せて覚えておくと理解が深まります。

読んだ内容を10問練習と実技で確認

記事で理解した用語を、StudyQuestの演習とクラウド実技ラボで定着させます。

10問練習 実技ラボ