クラウドコンピューティングの解説(基本情報技術者シラバス用語)

目次

クラウドコンピューティングとは

クラウドコンピューティングとは、自前のパソコンや社内のサーバーにデータを保存したりソフトウェアをインストールしたりする代わりに、インターネットの向こう側(ネットワーク上)にあるサービス事業者の巨大なコンピュータシステム(クラウド)を利用して、データ処理や保存、アプリの利用を行う仕組みのことです。

ユーザーは、手元のパソコンやスマートフォンとインターネット環境さえあれば、高価な機器を購入することなく、必要なときに必要なだけの情報リソースを月額料金や従量課金(使った分だけ支払う)で利用できます。システムの保守管理やアップデートはすべてクラウド運営会社が行うため、運用の手間が省けます。

具体例

日常生活やビジネスで広く使われているクラウドコンピューティングの具体例です。

  • 写真やファイルの保存:スマートフォンの容量を圧迫しないよう、写真を自動的にインターネット上のGoogleドライブやiCloudに保存し、別のPCからも確認できるようにする。
  • 動画配信サービス:端末に動画ファイルをダウンロードすることなく、NetflixやYouTubeのサーバーからストリーミング再生で動画を視聴する。
  • SaaS/PaaS/IaaSの利用:企業の業務システム全体を物理サーバーからAWSなどのクラウド上に移行する。

もう少し詳しく

クラウドコンピューティングは、米国国立標準技術研究所(NIST)による定義が有名で、「オンデマンド・セルフサービス(必要な時にすぐに利用できる)」「幅広いネットワークアクセス(PCやスマホから使える)」「リソースの共有化(他のユーザーとサーバー資源を共有する)」「迅速な伸縮性(サーバーのスペックを即座に増やせる)」「計測可能なサービス(使った分だけお金を払う)」という5つの特徴を持っています。これらは、従来の自社でサーバーを所有して運用する「オンプレミス」に比べて、初期費用が安いこと、導入スピードが極めて速いこと、システム管理の負担が少ないことなどの大きな変革をもたらしました。

クラウドの提供形態(デプロイメントモデル)には、インターネットを経由して不特定多数のユーザーが共有して利用する「パブリッククラウド」と、特定の企業や組織専用の閉じたクラウド環境を構築する「プライベートクラウド」、そしてこれら2つやオンプレミスを組み合わせて利用する「ハイブリッドクラウド」があります。企業はセキュリティ要件や業務の特性に応じて、最適なデプロイメントモデルを選択して活用しています。

試験でのポイント

試験では、クラウドコンピューティングを導入するメリット(初期費用の低減、迅速な開発、保守費用の削減など)とデメリット(セキュリティリスク、インターネット依存、カスタマイズの制限など)を正しく理解しているかが問われます。また、クラウドの提供形態である「パブリッククラウド」「プライベートクラウド」「ハイブリッドクラウド」のそれぞれの定義と特徴を整理しておく必要があります。

特に、自社で物理サーバーを抱える「オンプレミス(オンプレ)」とクラウドの対比が頻出します。「資産として物理サーバーを保有せず、利用料を経費(運用コスト)として処理できる(CapExからOpExへの移行)」といったビジネス的なメリットについても、シラバスの経営戦略やシステム戦略の分野で問われることがあるため、合わせて理解しておきましょう。

関連する用語

クラウドコンピューティングに関連する用語としては、自社内にシステムを設置する「オンプレミス」、クラウドサービスの種類である「SaaS」「PaaS」「IaaS」があります。また、インターネット上の共有クラウドである「パブリッククラウド」や、専用環境を作る「プライベートクラウド」、両者を組み合わせる「ハイブリッドクラウド」も密接に関連する用語です。

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