PDCAの解説(ITパスポートシラバス用語)

目次

PDCAとは

PDCA(ピーディーシーエー)とは、業務を継続的に改善していくための基本的な枠組みのことです。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つの頭文字を取った言葉です。

仕事を進める際、まずは目標を立てて計画し(Plan)、それに基づいて実行します(Do)。その後、実行した結果が計画通りにいっているかを確認・評価し(Check)、問題点があれば次にどうすれば良くなるかを考えて改善します(Action)。そして、その改善案をもとに再び新しい計画を立てるというサイクルを繰り返すことで、仕事の質や効率をどんどん高めていくことができます。

具体例

例えば、資格試験の勉強にPDCAを当てはめてみましょう。「1ヶ月で参考書を1周する」と計画を立て(Plan)、毎日3ページずつ勉強します(Do)。週末に振り返ると予定より遅れていることに気づき(Check)、「土日は勉強時間を1時間増やす」という改善策を考えます(Action)。これを繰り返すことで、目標達成に近づきます。

もう少し詳しく

PDCAサイクルは、もともと製造業における生産管理や品質管理(TQC/TQM)の現場で、統計学者デミング博士らによって提唱された「デミングサイクル」を起源としています。現在ではその有用性から、企業の経営戦略の実行、ITサービスの運用管理(ITILなど)、情報セキュリティ対策(ISMSなど)、そして個人のキャリア開発にいたるまで、あらゆるマネジメントプロセスの共通基盤として世界中で活用されています。

PDCAの肝は、サイクルを「継続的に回し続けること」にあります。これを「スパイラルアップ」と呼び、サイクルが一巡するたびに業務の標準化や問題点の解決が進み、組織の業務水準がらせん階段を上るように向上していきます。しかし、実際のビジネスの現場では、計画段階(Plan)で時間を使いすぎて実行(Do)が遅れたり、実行したものの評価(Check)や具体的な改善処置(Action)を怠ってしまい、形骸化してしまうケースが多々あります。

さらに、近年のような変化が激しく予測不可能な時代(VUCA時代)においては、綿密な計画を立ててから動くPDCAでは対応スピードが追いつかないという課題も指摘されています。そのため、迅速な意思決定を最優先とする「OODAループ」(Observe:観察、Orient:状況判断、Decide:意思決定、Act:行動)といった、状況変化に即座に適応するための新たな思考フレームワークと併用・補完しながら使い分けることが求められています。

試験でのポイント

ITパスポート試験において、PDCAはストラテジ系(企業活動、システム戦略)からマネジメント系(プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント)、テクノロジ系(情報セキュリティ)まで、分野を問わず出題される極めて重要な概念です。

特に出題されやすいのが、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の確立・運用における各フェーズ(P・D・C・A)と具体的な活動内容を対応させる問題です。例えば、「セキュリティポリシーの策定」はPlan(計画)、「従業員へのセキュリティ教育や対策の実施」はDo(実行)、「運用状況の内部監査や監視」はCheck(評価)、「セキュリティ対策の見直しや改善処置の実行」はAction(改善)にそれぞれ該当します。各フェーズがどのような具体的な行動と結びついているのかを整理し、問題文の事例がどのフェーズにあたるかを瞬時に判定できるようにしておきましょう。また、「Check(評価・検証)」と「Action(改善・処置)」を混同しやすいため、「状況を確認する段階」と「それに基づき対策を施す段階」という役割の違いを明確に意識することがポイントです。

関連する用語

PDCAと関連の深い用語には、状況の変化に即応して意思決定を行うための手法「OODAループ」、組織的な情報セキュリティ管理体制を築く「ISMS」、企業の業務プロセスを抜本的に再構築して効率化する「BPR(業務プロセス再設計)」があります。

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