SWOT分析の解説(ITパスポートシラバス用語)

SWOT分析の解説(ITパスポートシラバス用語)
目次

SWOT分析とは


SWOT分析(スウォットぶんせき)は、企業が自社の現状を正しく把握し、今後の経営戦略を立てるために使う代表的なフレームワーク(考え方の枠組み)です。自社を取り巻く状況を「内部環境」と「外部環境」に分け、さらにそれらをプラス面とマイナス面に分けて、以下の4つの要素で整理します。

1. Strength(強み):自社の得意なこと、他社に負けない長所(内部のプラス)
2. Weakness(弱み):自社の苦手なこと、不足しているリソース(内部のマイナス)
3. Opportunity(機会):自社にとって追い風となる世の中の変化やトレンド(外部のプラス)
4. Threat(脅威):自社にとって逆風となる世の中の変化や競合の存在(外部のマイナス)

これら4つの要素を掛け合わせる(クロスSWOT分析)ことで、「強みを活かして機会をどう掴むか」や「脅威に対して弱みをどう補うか」といった具体的な戦略を練ることができます。

具体例

ある老舗の和菓子屋が新しい戦略を考える場合を想定します。
・強み(S):伝統の味と職人の高い技術がある。
・弱み(W):若者の認知度が低く、ITを活用した販売ができていない。
・機会(O):SNSで和風スイーツが流行しており、海外からの観光客も増えている。
・脅威(T):コンビニの低価格なスイーツの品質が上がっている。
ここから、「強み(伝統の技術)を活かし、機会(SNSの流行)に乗って、若者向けに写真映えする新しい和菓子を開発し、ネット販売を始める」という戦略を導き出すことができます。

もう少し詳しく

SWOT分析は、自社の保有する経営資源と、自社を取り巻く外部の市場環境をマトリックス(格子状)に整理することで、現在地の客観的な把握と次のアクションプラン(経営戦略)を導き出すための手法です。自社でコントロール可能な「内部環境」と、自社ではコントロールできない「外部環境」を厳密に切り分けることが分析の基本となります。

4つの要素を整理した後は、それらを掛け合わせて具体的な戦略オプションを考える「クロスSWOT分析」を実施するのが一般的です。

「強み」×「機会」(積極成長戦略):自社の得意分野を活かして、市場の追い風(市場トレンドや法改正など)を最大限に活用し、一気に攻める戦略です。最も優先されるべき王道の戦略です。
「強み」×「脅威」(差別化・回避戦略):自社の強みを使って、外部の逆風(競合の台頭や市場縮小など)による被害を最小限に抑える、または独自の強みで競合と差別化する戦略です。
「弱み」×「機会」(段階的改善・提携戦略):市場のチャンス(機会)を逃さないために、自社の苦手分野(弱み)を克服・補強したり、他社とアライアンス(同盟・提携)を結んで補う戦略です。
「弱み」×「脅威」(致命傷回避・撤退戦略):自社の弱点と外部の脅威が重なる最悪の領域です。致命的な打撃を避けるため、事業の縮小、一部撤退、あるいは他分野への業態転換などを速やかに検討する防御的な防衛戦略となります。

試験でのポイント

ITパスポート試験のストラテジ系(経営戦略マネジメント)における、経営分析フレームワークの最頻出項目です。

試験対策の最大のポイントは、「内部環境」と「外部環境」の区別を正確に判断することです。試験問題では、ある企業の分析結果の箇条書き(例:「自社の特許保有数が競合より多い」「業界に関する新たな法律が施行された」「自社のシステム開発力が不足している」「若者の購買欲が低下している」など)が提示され、どれが強み・弱み・機会・脅威に分類されるかを問う問題が定番です。

内部環境(強み・弱み):自社の所有する技術、ブランド、資金、従業員のスキルなど、自社の企業努力で変えられるもの。
外部環境(機会・脅威):為替レート、法改正、景気動向、競合の出現、顧客の趣味嗜好など、自社の一存では変えられない社会や市場の動き。

この分類基準を頭に叩き込んでおけば、どんな問題が出題されても即座に正解を見極めることができます。

関連する用語

SWOT分析に関連する経営用語には、自社にしかない強力な技術や能力を示す「コアコンピタンス」、自社の事業ポートフォリオを市場の成長率とシェアで分類・評価する「PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)」、そして外部のマクロ環境(政治、経済、社会、技術)を分析する「PEST分析」があります。

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