シェアリングエコノミーの解説(ITパスポートシラバス用語)

目次

シェアリングエコノミー(Sharing Economy)とは

シェアリングエコノミーとは、個人や企業が所有している「使われていない資産(モノ、部屋、車、時間、スキルなど)」を、インターネット上のプラットフォームを介して、必要としている他の個人や企業と共同で利用(シェア)する経済活動のことです。新しく何かを購入するのではなく、必要な時に必要な分だけ借りて安く済ませる側と、遊休資産を活用して収入を得る側の双方にメリットがあります。

具体例

現代社会で普及しているシェアリングエコノミーの具体例です。

  • 部屋のシェア(民泊):自宅の空き部屋を旅行者に宿泊場所として貸し出すプラットフォームサービスを利用して、宿泊費を抑えたい旅行者と空きスペースを有効活用したいホストをつなぎます。
  • 車のシェア(カーシェアリング):個人が車を所有する代わりに、近所のステーションにある車を15分単位など短時間から共同で利用し、駐車場代や維持費を節約します。

「所有する」から「共有する」という価値観のシフトがベースになっています。

もう少し詳しく

シェアリングエコノミー(共有経済)は、インターネットとスマートフォンの普及によって急速に成長した新しい経済の形です。従来、私たちの生活は「お金を出してモノを所有する」ことが豊かさの象徴とされてきました。しかし、「ドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいのだ」という有名な言葉があるように、消費者の本当の目的はモノを所有すること自体ではなく、そのモノが提供する「機能」や「体験」を利用することにあります。

シェアリングエコノミーは、この考え方を体現したものです。企業や個人が持っている「普段使っていない余っている資産(遊休資産)」を、インターネットのプラットフォーム(仲介サイトやアプリ)を通じて、それを使いたい人とマッチングさせます。シェアされる対象は「モノ(車、自転車、衣服など)」だけでなく、「空間(空き部屋、空き駐車場、農地など)」、「移動手段(相乗りサービスなど)」、「スキル・時間(家事代行、単発の仕事の代行、語学レッスンなど)」、さらには「お金(クラウドファンディングなど)」に至るまで、非常に多岐にわたります。

この仕組みの最大の利点は、資源を無駄なく有効活用できることです。提供する側にとっては、眠っていた資産から新たな収入を得ることができ、利用する側にとっては、わざわざ高価なものを購入しなくても必要な時に安価で利用できるというWin-Winの関係が成り立ちます。また、社会全体としても大量生産・大量消費を抑え、環境負荷を低減する(SDGsへの貢献)効果が期待されています。一方で、個人間の取引(CtoC)が中心となるため、サービスの品質が一定でなかったり、トラブルが発生した際の責任の所在が曖昧になりやすかったりするという課題もあります。そのため、プラットフォーム側では、利用後の「相互評価(レビュー)システム」や「身分証明書による本人確認」を導入することで、見知らぬ人同士でも安心して取引できる「信頼」の仕組みを構築することが非常に重要となっています。また、既存の法律(旅館業法や道路運送法など)との摩擦が生じることも多く、法整備のアップデートが求められている分野でもあります。

試験でのポイント

ITパスポート試験などにおいて、シェアリングエコノミーは近年非常によく取り上げられるトレンド用語の一つです。「個人や企業が持つ遊休資産を、インターネットを介して他者と貸し借りしたり、共有したりする仕組み」といった記述があれば、すぐにシェアリングエコノミーと判断できるようにしておきましょう。

試験で得点するためのポイントは、具体的なサービス例と分類(何がシェアされているか)をイメージしておくことです。例えば、「Airbnb」などの民泊は「空間のシェア」、「Uber」などのライドシェアは「移動のシェア」、「メルカリ」などのフリマアプリは「モノのシェア」、「クラウドソーシング」は「スキルや時間のシェア」に分類されます。また、電子商取引の分類と絡めて、「CtoC(Consumer to Consumer:消費者間取引)」の代表的なモデルとして出題されることもあります。さらに、見知らぬ個人間で取引を行うため、相手を信用するための仕組みとして「評価システム(レビュー)」やプラットフォーム運営者の役割が問われるケースもあります。新しいビジネスモデル全般に言えることですが、「これまでの常識(所有すること)をどう変えたのか」という本質を理解しておくことが重要です。

関連する用語

関連する用語として、「クラウドソーシング」、「CtoC(消費者間取引)」、「サブスクリプション」などが挙げられます。クラウドソーシングは、インターネットを通じて不特定多数の人に仕事を依頼したり、アイデアを募集したりする、スキルや時間のシェアリングの一形態です。CtoCは、一般消費者同士がインターネット上で行う商取引のことで、シェアリングエコノミーの多くはこの形態をとります。サブスクリプションは、モノを買い取るのではなく、「一定期間利用する権利」に対して定額の料金を支払うビジネスモデルであり、「所有から利用へ」というシェアリングエコノミーと共通する価値観を持っています。

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