CSFとは
CSF(Critical Success Factor:重要成功要因)とは、企業やプロジェクトが目標(戦略)を達成するために、最も力を入れて取り組むべき、決定的な影響を持つ「重要な要因」のことです。数ある課題の中で「これさえ成功すれば全体の目標が達成できる」というポイントを絞り込んだものです。
CSFを明確にすることで、企業は限られたお金や時間、人材などの経営資源を、最も効果的な部分に集中させることができます。CSFを見誤ると、努力しているにもかかわらず目標が達成できないという事態に陥ってしまいます。通常は、目標達成の度合いを測定する指標である「KPI」とセットで使われます。
具体例
例えば、ある「定額制の音楽配信サービス(サブスクリプション)」を提供する会社が、売上2倍を長期目標に掲げた場合の具体例です。
- この目標を達成するために必要な要因を考えると、新規顧客の獲得や広告の強化などが挙げられますが、分析の結果、「有料会員がすぐに解約してしまうこと」が最大の課題であると判明しました。
- そこで、この会社はCSF(重要成功要因)を「有料会員の継続率を高めること(解約率を下げること)」と設定しました。
- このCSFを達成するために、限定コンテンツの充実やアプリの操作性改善に予算と人員を集中させます。
もう少し詳しく
CSFは、経営戦略の策定(SWOT分析や3C分析など)によって導き出された戦略シナリオを、実行可能なアクションに落とし込むための「橋渡し」の役割を担います。ビジネスにおける目標(KGI)は往々にして抽象的で、どのようにアプローチすべきかが不明確なため、目標を達成するために「何が決定打になるのか」という定性的な要因を特定する必要があります。これがCSF(またはKSF: Key Success Factor)です。
CSFを特定するプロセスでは、社内外の環境を分析し、目標達成のための障害を洗い出します。そして、経営資源を一点突破で投入すべき核心的なポイント(例えば「独自コンテンツの豊富さ」「流通網の広さ」「開発スピード」など)を選定します。CSFが定性的な「事象や要因」であるのに対し、それがどれくらい達成できているかを測定するために、後続ステップで具体的な数値目標である「KPI」を設定します。CSFとKPI、そして最終目標であるKGIが一直線に繋がっていることが、戦略実行の成功には不可欠です。
試験でのポイント
試験対策としては、目標や管理指標に関する3つの言葉である「KGI(重要目標達成指標)」「CSF(重要成功要因)」「KPI(重要業績評価指標)」の関係性と違いを正しく理解しておくことが最重要です。CSFは、この中で唯一「数値ではない定性的な成功要因(〜すること、〜の達成など)」を表します。
例えば、「売上高10%増(KGI)」を達成するために、「店舗の認知度を高めること(CSF)」を設定し、その進捗を測るために「Webサイトの月間訪問者数10万人(KPI)」を置く、というような具体的な連鎖モデルの正誤が問われます。CSFが「目標達成のために最も影響を与える要因」であることを抑え、数値目標であるKPIと混同しないようにしてください。
関連する用語
CSFに関連する用語には、最終的な目標である「KGI」や、その達成状況を測定する数値指標である「KPI」があります。また、戦略的な成功要因を同様に表す「KSF(主要成功要因)」や、業績評価フレームワークである「バランススコアカード(BSC)」も非常に関連の深い用語です。